カテゴリー別アーカイブ: 3Dプリンター 建築

建築業界で用いられるCAD技術は、そのまま3Dプリンティング業界への活用が可能です。CADデータをそのまま3Dプリンターで出力することもでき、書き起こした図面を元に、建築物のモデル等を3Dプリンター等で出力するサービスも始まっています。また、実際に居住できる家を丸ごと3Dプリンターで作ってしまうという取組もあります。

砂の3Dプリンター「Stone Spray Project」

家庭用3Dプリンターの一般的な素材は、ABSやPLA等のプラスチック素材のフィラメントをイメージするだろう。しかし最近は、木材や金属や紙等、様々な素材が登場している。今度は、砂を素材として用いる3Dプリンターが登場した。現時点では研究段階のプロジェクトだが、この技術が確立されれば、実際に人が住むことができる住居建築等も可能になるのかもしれない。砂漠での住居の建築、スラム街等での居住空間の建築等はイメージできる。
ArduinoUNOをベースとして作用しており、ソーラーパネルにより、電力を自ら賄う。映像を見る限りだと、レコードのターンテーブルが用いられているのか?Stone-Spray-Project来年の夏の湘南や須磨海岸には、このマシンのデモンストレーション等があれば面白いかも。夏になると、サンドアート等が海水浴場等に登場するが、このマシンがあればすごく精巧なサンドアートも可能になるのかもしれない。

Stone Spray Project from Stone Spray on Vimeo.

3Dプリンターで家を建てる「Contour Crafting」

3Dプリンターの原理が理解できたら、もしかしたらこの仕組みで家だって建てられるのではと考えるかもしれない。実際にそれを実現しようとしているプロジェクトが進んでいる。巨大な3Dプリンターで実際に人が住める家を20時間程度で建てることを目指しているのが、「Contour Crafting」というプロジェクトだ。もはやこれは3Dプリンターではなく、新たな建築手法の一つなのかもしれない。Contour-Crafting通常なら、一軒家を建てるためには、基礎の組み立てから、大工さん等の多くの人が関わる。しかしこのプロジェクトなら、3Dプリンターさえ設置すれば、あとは自動で建築物を作り上げてくれる。建築家がデザインしたCADデータをPCに読み込んで、それを現場で3Dプリンターに出力という流れだろうか。Contour-Crafting実際には、内装や、インテリア、エクステリア等、全てを3Dプリンターでまかなうことはできないのかもしれないが、例えば発展途上国等で住まいの環境に恵まれてない場合や、災害等で早急に多くの住環境が必要となた場合等は十分に役立つのかもしれない。技術が進化すれば、一軒家だけに限らず、集合住宅や高層マンション等も3Dプリンティング技術によって建築できるようになるのかもしれない。Contour-CraftingNASAが3Dプリンターを使って月に居住スペースを作る研究をしている等のニュースもあり、3Dプリンティング技術の進化はとどまることを知らない。

3Dプリンターでサグラダ・ファミリアの完成が早まる?

スペインのバルセロナにある「サグラダ・ファミリア」は、誰もが知っている有名な教会でもあり、建築物でもある。バルセロナのシンボルでもあるこの建物は、1984年に世界遺産に登録された建築家アントニ・ガウディの未完の作品としても有名だ。1882年から開始された建築はいまだに続いており、着工から約130年経った現在でも建築作業は続いている。過去には完成までに300年はかかると言われていたが、スペインの経済成長や、様々な建築技術の進化によって、日々加速していると言われている。そして最近ではガウディの没後100周年にあたる2026年の完成を目指していることが発表された。300年もかかるといわれていたのに、2026年に完成するなら、150年で完成ということになる。日々の技術の進歩といっても、あの複雑な建造物の建築計画を300年から150年の半分にも縮めた原因は一体何なのか?
その技術的革新の理由の一つに3Dプリンティングがあるという。確かにあの複雑な形状を忠実に再現するには、3Dプリンターはうってつけの技術かと思われる。ただ、ガウディはサグラダファミリアの設計図を残していないと言われており、元となるデータはどのようにして起こされているのかは気になるところだ。もしサグラダファミリア全体の精緻な3Dプリンターデータが公開されたら、家庭用3Dプリンター等を用いて、一般家庭でサグラダファミリアが作れるようになるかもしれない。