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熱容積法とは異なり、より高精細な造形が可能なのが、光造形方式の3Dプリンター。今後低価格化が進み、多くの家庭用光造形式3Dプリンターが登場すると思われる。

高精細な造形が可能な光造形式の家庭用3Dプリンター「Projet 1200」が登場!

現在家庭用3Dプリンターとして市場に出回っている物はFDD形式(熱溶解積層法)となっており、フィラメントを熱で溶かしてZ軸方向に積層して造形していく方式です。また先日当サイトでもお伝えした2014年の2月に特許が切れたSLS形式(レーザー焼結法)は、粉末状の材料にレーザー光線を高出力で照射して焼き固め造形していく方式です。そして今回3D Systemsが発表したProjet 1200は、SLA形式(光造形法)の3Dプリンターです。

光造形の3Dプリンターと言えば、キックスターターで3億円もの支援金を集めたFORM1等が有名です。やはり現在主流のFDD法式3Dプリンターでは、どうしても精密なデザインや細かな物を造形するには限界があります。なので、精密なデザインを得意とする光造形式の3Dプリンターが注目されているのですが、まだまだ値段が高く場所も取るため、一般家庭に普及するまでの物にはなっていません。しかし今回発売されたProjet1200は、価格は49万円、サイズもデスクトップサイズとなっています。

基本スペック

  • 価格:4,900ドル
  • 解像度:56ミクロン(585dpi)
  • 積層ピッチ:0.03mm
  • 造形スピード:14mm/h
  • 素材:VisUet FTX グリーン
  • 最大造形サイズ:縦43mm×横27mm×高さ180mm
  • 対応データ:STL
  • 対応OS:Windows

上記の公開されているスペックからすると、造形サイズは小型な物の造形に限られそうです。また素材が限定されていることもあり、用途的には指輪等のアクセサリー、歯科用ワックス等の鋳型の原型造形等に向いているようです。
Form1が33万円なので、比較すると49万円は高く感じるかもしれませんが、3Dシステムズは企業規模や信頼性はもとより、販売チャネルやアフターサポート等もしっかりしているので、単純な製品の価格だけでの比較は難しいかもしれません。Cubeの部品交換等、3Dシステムズのアフターサポートは親切な事で有名です。

多くの人がフィギュア等を作りたいと思っていると思いますが、造形サイズが横27mmだとちょっと厳しいかもですね。それと比較するとForm1は125mm x 125mm x 165mm となっているので、同じ光造形方式の3Dプリンターであっても、用途によってどれを買うかをじっくり検討した方がよさそうです。

光造形3Dプリンター「Pegasus Touch」

2013年は熱容積方式の3Dプリンターが一般家庭に多く出回った一年となった。では2014年の3Dプリンターの動向はどうなるのだろうか?その一つとして、光造形方式の3Dプリンターが低価格化し、高精細な造形物が自宅でも出力できるようになるかもしれない。光造形方式の3Dプリンターとして有名な製品としては、Form Labs社がキックスターターで支援を募った「The Form1」だろう。キックスターターで3億円集めて、その後VCから19億円の投資を受けた。今回「Pegasus Touch」を開発販売するのは、ラスベガスにあるFLS社。入手可能は2014年7月と半年以上先となっているが価格は225,000円と、Form1の330,000円よりも10万円安い。素材も、材料費1リットルあたり、Form1が15,000円に対して、Pegasus Touchは10,000円。今後このように市場の競争が激しくなれば、熱容積方式並みに価格が下がってくるかもしれない。2014年は是非とも手ごろな価格での光造形仕様の家庭用3Dプリンターがたくさん登場することを期待したい。