カテゴリー別アーカイブ: 3Dプリンター データ

家庭用3Dプリンターで造形物を出力するためのデータ提供を行うサービスを紹介。3Dプリンターですぐに使えるSTLフォーマットについてを主に紹介していきます。

家庭用3Dプリンターで壇蜜を3Dプリント

Shade等のソフトウェア開発販売で有名なイーフロンティア社が映画「地球防衛未亡人」(2014年2月8日公開)とコラボレーションすることを発表した。そのコラボレーションの内容は、劇中で壇蜜が演じる「ダン隊員」の3DCADデータを発売するようだ。「地球防衛未亡人」は、これまでに「ヅラ刑事」「日本以外全部沈没」「いかレスラー」や「かにゴールキーパー」等の映画を撮影してきた河崎実氏の監督作。データ発売時期は2014年内とのこと。danmitsu映画のプロモーションの為のコラボレーションなのであれば、是非とも無料でのデータ提供の方が盛り上がるのではないだろうか?

3Dプリンターのデータフォーマット

3Dプリンターで扱う為の3Dデータや3D CADデータには様々な種類があり、現在もっとも主流なデータフォーマットはSTLフォーマットだろう。たいていの家庭用3DプリンターでSTLファイルならそのまま読み込んで出力することができるが、STLファイルフォーマット以外にも、何種類かの3Dデータフォーマットが存在する。STL以外で有名なフォーマットは、PLYやOBJあたりだろうか。しかしそれ以外にも以下のようにたくさんのフォーマットが存在する。

STL/OBJ/PLY/OFF/3DS/COLLADA/PTX/V3D/PTS/APTS/XYZ/GTS/TRI/ASC/X3D/X3DV/VRML/ALN/DXF/GTS/U3D/IDTF/X3D

今後3Dプリンティング市場が拡大するにつれて、3Dスキャニングしたデータや、3Dデータ共有サイト等から入手したデータ、3D CGソフトで作成して出力したデータ等、流通経路によって様々なファイルフォーマットに出会うことがあるかもしれない。そんな時は、3Dオブジェクトデータの変換ソフトが便利だ。例えば無償ソフトのMeshLab等は、様々な3Dオブジェクトデータを読み込んで、様々なデータフォーマットに変換することができる。このソフトでSTLファイルに変換することができれば、たいていの家庭用3Dプリンターでの取り扱いが可能になる。
3Dプリンター市場が成熟していくにつれて、このような複数のデータフォーマットが存在する状況が整理され便利な環境が整うことを祈るばかりだ。

3Dプリンターのデータが手に入る国内のサービス

家庭用3Dプリンターを購入したら、次に必要となるのは出力するための3D CADデータだ。個人でCADデータを作れる人もいるかもしれないが、大半の人は思った通りに3DのCADデータを作ることは困難かもしれない。そんな時にありがたいのが、3Dプリンター用のデータをダウンロードすることができるサイトだ。海外ではThingiverseが有名だが、国内にはどのような3Dプリンター用のデータ提供サービスがあるのかをまとめてみた。

3D CAD DATA.COM

当サイトが提供する、家庭用3Dプリンター向けのSTLファイル提供サービス。提供するデータフォーマットは、STL形式のみなので、ダウンロード後にデータフォーマットの変換等の必要もなく、すぐに出力することができる。オススメのデータは、Suggestionsコーナーで紹介されているので、まずはオススメデータからの出力を行うのも良いだろう。また、ハイクオリティーなデータを投稿するユーザーには、スーパークリエイター認定の制度があり、スーパークリエイター認定されたユーザーは、Gumroadを利用して、STLファイルを販売することもできる。みなさん、どうかご利用よろしくお願い致します。

 

SHAREDMESH

使える、遊べる、楽しめるをコンセプトにした、3Dプリンター用データの提供サイト。有料のデータ販売が基本となっているが、無料のデータ提供等も行っている。数百円程度のお手頃価格であるところもうれしい。

 

3D-P

投稿されているデータは、ビューワーでぐりぐり回せて表示確認できるのがうれしい。今後、サービスに追加を検討している機能は、投票により検討するなどの仕組みもユニーク。エッフェル塔やティラのサウルス等のデータは、一度ダウンロードして出力してみたいところ。

 

tecshar

モノづくりレシピを提供するサイト。電子工作やDIY、イラストやデザイン等の制作に関するノウハウをTIPS形式で提供。その中の一つのコーナーに、3Dプリンターで出力することのできるデータを提供している。

 

DELMO

フィギュアデータに特化した共有サービス。当初は、2013年8月下旬にオープンという発表が8月上旬にあったが、その後、9月⇒10月⇒11月とサービスオープンが延期しており、現時点でもまだオープンしていない。オープンが待ち遠しいサービスである。

 

Model Wave

自作の3Dデータ等を、売る/買うができるサービス。トヨタ2000GT(MF10)前期型等、魅力的なデータも。提供ファイルフォーマットは、MAX/LWO/SHD/3DS/DXF/OBJ。優良データの販売が基本となっているが、無料のデータ提供等もおこなっており、無料データはサービス登録無く利用することができる。照明器具、乗り物、家具、電化製品等の3Dデータ等を提供している。

3Dプリンター用データをスミソニアン博物館が無償配布

3Dプリンティング技術の活用先として、美術館や博物館の収蔵品等をスキャニングして3Dデータとして一般データを提供する試み等が始まっている。例えば大英博物館には、800万点もの収蔵品があると言われている。それらの800万点全ての収蔵品を実際に展示することはほぼ不可能だろう。しかしデジタルデータでなら際限なく提供できるのかもしれない。大英博物館に、ロゼッタストーンや、ハンムラビ法典等のレプリカや置物、キーホルダーを販売しているお土産屋さんがある。しかし今後は実際に大英博物館を訪れなくても、デジタルデータを入手することによって、様々な貴重な収蔵品のレプリカ等を3Dプリンターで出力して手にすることができるようになるかもしれない。Smithsonian-X-3Dこのような取組を積極的に進めているのが、アメリカのスミソニアン博物館。スミソニアン博物館は、Smithsonian X 3Dというサイトにて収蔵品の3Dデータの公開を始めた。提供されるデータはブラウザ上で閲覧でき、またダウンロードして実際に家庭用3Dプリンター等で出力することもできる。現時点で公開されているデータは、マンモスの骨格、アブラハム・リンカーンの彫像データやライト兄弟のライトフライヤー号。誰もが知っている歴史的に価値のあるデータが。データファイルフォーマットはSTL形式。で、びっくりするのがこのスミソニアン博物館にはなんと約1億3700万個の収蔵物があるといわれており、これら全てをスキャニングして3D データ化することを目指している。Smithsonian-X-3D1億3千万点のデータを3Dデータにするには、気の遠くなる時間がかかるかもしれないが、GoogleがGoogleBooksで書籍をスキャニングしていた取組に似ているかもしれない。もしかしたらGoogleが始めるかもしれない。スミソニアン博物館の場合、この1億3千万点の収蔵品の内、約1%程度しか実際には展示されていないらしい。でも1億3千万の1%といっても、130万点。スミソニアン博物館には本当に130万点の展示がされているのだろうか?