家庭用3Dプリンターを購入したら、次に必要となるのは出力するための3D CADデータだ。個人でCADデータを作れる人もいるかもしれないが、大半の人は思った通りに3DのCADデータを作ることは困難かもしれない。そんな時にありがたいのが、3Dプリンター用のデータをダウンロードすることができるサイトだ。海外ではThingiverseが有名だが、国内にはどのような3Dプリンター用のデータ提供サービスがあるのかをまとめてみた。
3D CAD DATA.COM
当サイトが提供する、家庭用3Dプリンター向けのSTLファイル提供サービス。提供するデータフォーマットは、STL形式のみなので、ダウンロード後にデータフォーマットの変換等の必要もなく、すぐに出力することができる。オススメのデータは、Suggestionsコーナーで紹介されているので、まずはオススメデータからの出力を行うのも良いだろう。また、ハイクオリティーなデータを投稿するユーザーには、スーパークリエイター認定の制度があり、スーパークリエイター認定されたユーザーは、Gumroadを利用して、STLファイルを販売することもできる。みなさん、どうかご利用よろしくお願い致します。
SHAREDMESH
使える、遊べる、楽しめるをコンセプトにした、3Dプリンター用データの提供サイト。有料のデータ販売が基本となっているが、無料のデータ提供等も行っている。数百円程度のお手頃価格であるところもうれしい。
3D-P
投稿されているデータは、ビューワーでぐりぐり回せて表示確認できるのがうれしい。今後、サービスに追加を検討している機能は、投票により検討するなどの仕組みもユニーク。エッフェル塔やティラのサウルス等のデータは、一度ダウンロードして出力してみたいところ。
tecshar
モノづくりレシピを提供するサイト。電子工作やDIY、イラストやデザイン等の制作に関するノウハウをTIPS形式で提供。その中の一つのコーナーに、3Dプリンターで出力することのできるデータを提供している。
DELMO
フィギュアデータに特化した共有サービス。当初は、2013年8月下旬にオープンという発表が8月上旬にあったが、その後、9月⇒10月⇒11月とサービスオープンが延期しており、現時点でもまだオープンしていない。オープンが待ち遠しいサービスである。
Model Wave
自作の3Dデータ等を、売る/買うができるサービス。トヨタ2000GT(MF10)前期型等、魅力的なデータも。提供ファイルフォーマットは、MAX/LWO/SHD/3DS/DXF/OBJ。優良データの販売が基本となっているが、無料のデータ提供等もおこなっており、無料データはサービス登録無く利用することができる。照明器具、乗り物、家具、電化製品等の3Dデータ等を提供している。


このような取組を積極的に進めているのが、アメリカのスミソニアン博物館。スミソニアン博物館は、Smithsonian X 3Dというサイトにて収蔵品の3Dデータの公開を始めた。提供されるデータはブラウザ上で閲覧でき、またダウンロードして実際に家庭用3Dプリンター等で出力することもできる。現時点で公開されているデータは、マンモスの骨格、アブラハム・リンカーンの彫像データやライト兄弟のライトフライヤー号。誰もが知っている歴史的に価値のあるデータが。データファイルフォーマットはSTL形式。で、びっくりするのがこのスミソニアン博物館にはなんと約1億3700万個の収蔵物があるといわれており、これら全てをスキャニングして3D データ化することを目指している。
1億3千万点のデータを3Dデータにするには、気の遠くなる時間がかかるかもしれないが、GoogleがGoogleBooksで書籍をスキャニングしていた取組に似ているかもしれない。もしかしたらGoogleが始めるかもしれない。スミソニアン博物館の場合、この1億3千万点の収蔵品の内、約1%程度しか実際には展示されていないらしい。でも1億3千万の1%といっても、130万点。スミソニアン博物館には本当に130万点の展示がされているのだろうか?