家庭用3Dプリンターの現状

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昨今のモノづくりブームで、3Dプリンターに関するニュースを目にしない日はない。大手家電量販店で家庭用3Dプリンターの発売が開始されたり、国産の3DプリンターScoovoが登場したりと実際に様々な動きが出始めている。では、実際に家庭用プリンター等はどの程度現時点で普及しているのだろうか?そのような調査を、インターネットコムとgooリサーチが行った。全国の10代から60代以上のインターネットユーザー約1,000人に3Dプリンターの利用動向等を調査したところによると、3Dプリンターの認知度は74.9%、このうち21.2%の人が「3Dプリンタ代行サービス」までを知っていた。しかし実際に利用しているユーザーは2.7%。利用したことがある人は会社やイベント、学校等での利用と回答しており、まだまだ家庭用としては引き続き敷居が高いという結果であった。では3Dプリンターに興味はあるが、購入にまで至っていない人の意見としては、価格/手間/精度などが理由のようだ。確かに現時点での家庭用3Dプリンターでは、ホームユースにしてはまだ10万円以上する場合が多く、10万円出すのであれば、大型液晶テレビが買えたりと、製品単体としての評価とすれば高価な感じがする。またやはり手間、精度等も現時点では家庭用として大きく普及するまでの物とはなっていない。当サービスにおいても、現時点おいては、週末よりも平日の方がアクセスが多く、これは個人的なホームユースのニーズというよりは、ビジネス視点でのニーズが高いということかもしれない。

では、一方モノづくりブームの先進国、アメリカではどういう状況なのだろうか?欧米では、DIYという言葉があるように、ホームセンター等で材料等を購入して自分で何でも作ってしまうという慣習がある。米国では自宅のガレージなどでものづくりをする人も多い。ヒューレットパッカードやApple等も最初は自宅のガレージ等から出発している。このような文化はアメリカ特有の物なのかもしれない。そこに最近の3Dプリンターブームが登場し、アメリカではこれまでにないモノづくりブームが起こっているようだ。あのMakerbotReplicatorのメーカーでもあるメイカーボットインダストリーズ社のCEO(最高経営責任者)、ブリー・ペティスさんは7年前まではなんと美術教師だったらしい。当時市場に出回っていた3Dプリンターが高価すぎたことをきっかけに友人と自作したことが現在のMakerbot社につながっている。この辺もまさにアメリカっぽいのかもしれない。日本にもこのような盛り上がりがくるためには、やはり家庭用の3Dプリンター市場が成熟していくことが重要かと思われる。

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