家庭用3Dプリンター

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昨今の3Dプリンターブームで、3Dプリンターさえあれば、何でも造形できると勘違いされているむきもある。3Dプリンティングブームを理解するうえで、家庭用の3Dプリンターと、ハイスペックな3Dプリンターを区別する必要がある。“家庭用3Dプリンター”と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるだろうか?CubeやMakerbotReplicatorやAfinia、最近ではScoovo等が家庭用3Dプリンターとしての市場を開拓している。ただ、日本国内で入手できて、安定的な動作を期待できる3Dプリンターとしては、Cubeが一歩リードしている感じだろうか。昨今ブームの家庭用3Dプリンターは、これまで米国の特定企業が保有していた3Dプリンティング技術の特許が切れて、様々なベンチャー企業が安価にて3Dプリンターを開発/販売し始めた事が大きい。一方、Stratasysや3D Systems等は1980年代から、工業製品向けのプロトタイプを作成するための3Dプリンターを比較的早いタイミングから市場に投入していた。これらの技術は比較的昔からある技術であり、それなりの金額を払えば、相当な3Dプリンターを入手することができた。ただ、ここ近年の大きな動きとしては、これらの大手プレイヤー、Stratasysや3D Systemsが、家庭用3Dプリンターという、ホームユースの市場に参入してきた事が大きい。3D SystemsはCubeをフィーチャーして、Stratasysは、MakerBot社を買収して、MakerbotReplicatorでこの市場を開拓し始めている。時間がたてば、工業製品を作成するような高価な3Dプリンターの品質レベルと、ホームユースの家庭用3Dプリンター市場と融合することが考えられるが、
それでにはまだしばらく時間がかかるだろう。現状の3Dプリンティング市場は、期待値が現実をうわまっており、この原因は工業製品向けの3Dプリンティング市場と、家庭用3Dプリンター市場が混同されていることにある。近い将来、これらは近づいて1つの市場になると思われるが、それまでの間、市場の健全な成長を期待したい。

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