フィラメントのABSとPLAの違い

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最近の家庭用3Dプリンターで使うことのできるフィラメント(樹脂素材)は、主にABSとPLAの2種類がある。特に価格差等はなく、Cubeの場合だと、カートリッジとして税込6,300円で購入できる。ではABSとPLAの違いは何だろう?二つの素材の違いを理解することにより、造形の失敗を防いだり、少しでも綺麗な仕上がりや強度を満たせるかもしれない。以下に二つの特徴を纏めてみたい。

ABS
・ABSはPLAと比較すると粘りがある。
・構造部品として強度に優れている。
・出力後に、サンドペーパーややすり等の表面処理が比較的容易にできる。
・プラスチック用の塗料やアクリル系塗料での塗装が可能。
・成形が薄い物や大きい物は熱による収縮性があるので、成形中にプラットフォーム上で反ることがある。

PLA
・成形温度がABSよりも低く、粘りが少なく強固である。
・熱による変形が少なく、比較的大きい物等も作りやすい。
・トウモロコシ、ビート、イモ類、サトウキビ等の植物からつくられている。
・強固である為、成形後のサンドペーパーややすり等での表面仕上げには不向きである。
・ABS樹脂に比べると、出力後の塗装処理には不向きである。

それぞれに上記のような特徴がある。これらの特徴を理解した上で、出力する物の特性や大きさ、使い勝手等を考慮して、素材を適宜選ぶのがよいであろう。例えば置物やオブジェ等、仕上がりにこだわり、出力後に研磨等を行って色づけをするような物はABSが向いているのかもしれない。
逆に、出力後に色づけや研磨等はせずに、実用的な物として耐久性等を重視するのであればPLAが向いていそうだ。

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