カテゴリー別アーカイブ: 3Dプリンター メーカー

3D Systems/Stratasys/Hewlett packard等の大手メーカーから、最近はKickStarter(キックスターター)やIndieGoGo(インディーゴーゴー)等のクラウドファウンディングサービスからも沢山の3Dプリンターメーカーが登場しています。SCOOVOを製造販売するオープンキューブ社等、日本の国産メーカーも頑張っています。

Hewlett Packardが3Dプリンター市場に参入

Hewlett-Packard(HP)社が、Stratasysと提携して3Dプリンター市場への参入を表明したのが2010年の1月。その後、StratasysはMakerbotを買収し、3D Systems社は家庭用3DプリンターCubeを市場に投入するなどして、市場は大いに盛り上がっている。HPが2010年の時に発表した内容は、当時工業製品用として市場に出回っていた数千万円もするような3Dプリンターではなく、メカニカルなデザイン等を手掛けるプロユース向けではなるが、15,000ドル程度の価格で広い市場向けのコンセプトであった。しかしあれから3年程たち、3Dプリンターは一般家庭にまで普及し、個人のホームユース的な側面でのニーズが大きく、最近では1,000ドルを切る家庭用3Dプリンターが登場し始めている。そうかんがえると、3年前にHP社が考えていたよりも市場は急速に発展しているのかもしれない。
そんなHP社が、この度バンコクで開かれたCanalys Channelsフォーラムで、3Dプリンター市場への参入を発表した。HPのCEO、Meg Whitemanによると、2014年中旬に本格的な市場への製品投入を計画しているようだ。今回は、前回みたいに市場性やタイミングを見誤ることはないのか?このような市場のスピードが速い領域においては、HPのような大きな企業よりも、ベンチャー等の小回りがきいてFocusしている企業の方が有利なのかもしれない。革新的な技術、コンセプトの3Dプリンターのそのほとんどが、Kickstarter等のクラウドファウンディングに登場しそこで大きな支持を集めてから、VC等から資金調達をしてどんどん進めていく。この流れにHPはどう挑むのだろうか。HPは3Dプリンターにおける課題に取り組んでいるようだ。その課題とは、造形スピードと低価格化。確かに現状の3Dプリンターにおいて、造形スピードは大きな課題だ。ちょっとした大きさの物を出力するのにも、数時間かかる。これを解決できれば非常に魅力的な製品になるだろう。ただ、もう一方の低価格化については、すでに先行者によりどんどん進んでいて、5万円程度で購入できる家庭用3Dプリンターも登場しはじめている。HPに期待するとしたら、造形スピードが速く、高精細で品質の高い出力が可能で、コストパフォーマンスの高い3Dプリンターが5万円程度で実現できたら、いっきに市場のリーダーに躍り出ることができるかもしれない。
ちなみにホイットマンさんは、本格的な3Dプリンターの普及には、まだ3年を要すると予測しているようだ。

キーエンスのAGILISTA-3100

キーエンスという会社の名前は聞いた事があると思いますが、何を扱っている会社かご存知ですか?キーエンスと聞くと、社員の平均年収が1,300万円とか、高収益企業とか、工場を持たないファブレス経営等が有名かもしれない。そんなキーエンスが今年の5月8日に行った決算発表では、5年ぶりに過去最高益を更新したことを発表し、株価の上昇に弾みを付けた。5月16日には10年来の高値を記録して、併せて6月18日には、3Dプリンターの発売を開始した。
キーエンスが販売する製品には、高評価な製品が多いが、そんなキーエンスが発売する3Dプリンターとなると注目度も高いだろう。今回キーエンスが発売する3DプリンターはAGILISTA-3100。アジリスタと発音するらしい。価格は問い合わせないと分からないようだが、おそらく380万円程度かと思われる。380万円という値段を高いとみるか、安いとみるか。カテゴリー的には、3D Systems社の「ProJet 3500」シリーズに近いか。積層ピッチは15μm。付属のソフトウェア「Modeling Studio」で簡単に出力設定が可能。またこのソフトには、STL変換時に発生する欠損データを自動補正できるなどの機能も備わっている。
あのキーエンスが発売する3Dプリンターということで、業界大注目。個人的には、ホームユースの3Dプリンター市場に参入してほしい。formlabsが発売を予定しているFORM1あたりのカテゴリー商品を低価格でキーエンスが出して来れば、日本の3Dプリンター市場は、また一歩大きく前進するのではないだろうか。

MakerBot社をStratasys社が買収

米国時間の6/19、工業用の3Dプリンターの最大手、Stratasysが、MakerbotReplicator等の生産販売を行うMakerBot社を買収したと発表した。買収額は日本円で約430億円。MakerBot社は、2009年に創業。Replicatorシリーズはこれまでに累計で約22,000台を販売してきた。Stratasys社は、33年以上にわたり、ラピッドプロトタイピングの業界でのリーダー的企業であり、1,000万円以上もする産業用3Dプリンターの製造/販売を行ってきた。近年ではイスラエルのObjet社との合併を行うなど、3Dプリンティング市場において、積極的な事業展開を行っている。今回のMakerBot社買収は、近年市場が広がりつつあるコンシューマー向け3Dプリンター市場においても積極的な事業展開を行っていくことの表れだろう。コンシューマー市場向けにCubeを展開する3DSystems社と、今回のMakerBot社を買収してコンシューマー市場に乗り込んできたStratasys社の、この2社が当面3Dプリンティング市場を席巻していくことだろう。日本のメーカー等の活躍も期待したい。