カテゴリー別アーカイブ: 3Dスキャナー

3Dスキャナーは、これまでは100万円以上もしていましたが、最近は10万円以下の安価な物も登場しています。3Dスキャナーがあれば、手軽にスキャニングした物を、そのまま簡単に3Dプリンターで造形することができます。ハンディータイプや、デスクトップ型の低価格家庭用3Dスキャナーに関する情報を紹介します。

グーグルの超絶プロジェクト「Tango」と3Dプリンティングの可能性

Googleが新しいプロジェクト「Tango」を発表しました。Tangoは当サイトでも先日お伝えした、元モトローラの研究開発部門ATAPが推進する野心的な取組で、スマートフォンで現実世界の空間を3Dマッピングして仮想体験を作り出そうとする壮大なプロジェクトです。
ATAPはあのマッドサイエンティスト(?)集団DARPAの元総責任者Regina Dugan(レジーナ・デューガン)氏が率いる先進的な研究開発部門。プロジェクトTangoは、ATAP(DARPA)がそうであったように、複数のテクノロジー企業や機関等において専門知識を有する人々を集約してコラボレーションにより進めていくプロジェクトとなっています。では肝心のプロジェクトTangoとは何なのでしょうか?Tangoは画面サイズ5インチ程度のAndroidスマートフォンで端末の加速度センサー等を活用して3Dモーションを追跡/スキャニングして、3D空間のマッピングを行います。例えばこれによりソファーやベッド等の家具を買いに出かける前に、スマートフォンで室内をスキャニングすることにより室内に配置されている家具やレイアウト等の寸法を測ることができ、お店で室内に合う家具を選ぶことができます。また空間のレイアウト等の情報をスキャニングして3Dマッピングすることにより視覚障害者等をサポートすることにも役立てることができます。その他にも、スキャニングされた3D空間を仮想現実のゲーム空間に活用することもできるのではないでしょうか。スマートフォンに搭載されるTangoのセンサはなんと秒間2億5000万以上の3Dの計測を行って、3Dモデリングを構築することができるそうです。
Googleのストリートビューで入っていけない空間等もこれらの機能により全ての空間データがデジタル化されて、ネット上に整理されるようになるかもしれません。例えば不動産情報等、現状であれば間取り図でしかなかった平面情報が3D空間としての情報におきかわるかもしれません。

では3Dプリンティングとの可能性はどうなのでしょうか?既に、スマホで3Dスキャニングができるアプリ123D CatchやTrimensional等が存在しますが、今後はスマートフォンに、3Dスキャニング機能が標準搭載されるかもしれません。携帯電話が登場した時に、カメラが実装されることを予測できた人はいなかったかもしれません。それが今ではカメラはもとより動画撮影や、アプリによって機能拡張されたスマホは画像や動画等のマルチメディアデータをオーサリングすることまでもが可能になっています。現状の3Dプリンティング市場においては、出力の為の3Dプリンターの進化は目覚ましいですが、出力する為のデータが不足しています。現時点では3D CADデータを作成できる人に限られている3Dデータの作成ですが、このようなデバイスが進化すると、スマホさえ持っていれば誰もがその辺にある実空間のオブジェクトをスキャニングすることにより、簡単にデータが作成でき、それらのデータはネットの空間を流通しはじめるかもしれません。位置情報等を活用して同じ地点のデータであれば、他人がスキャニングしたデータと合成して、完全な3Dモデルを作りあげることができるようになるでしょう。様々な人が同一の被写体を撮影した写真を、一つの3Dデータに合成する点においては、数年前にマイクロソフトが発表したPhotosynth等はイメージが近いかもしれません。
このような時代が来たときに、著作権等の考え方はどうなるのでしょうか?誰もが簡単にデータの複製ができるようになったとき、本当の意味でのオリジナルデータをつくることができる人が、大きな注目を集めることになるのかもしれません。次世代のスーパークリエイターや芸術家等は、こういうところに突如として現れるのかもしれませんね。

iPadで3DスキャンができるiSenseを3Dシステムズが発表!

2014年の3Dプリンティングにおいて一つのキーワードとなりそうなのが3Dスキャニング。米ラスベガスで開催中のCES2014でCUBEでおなじみの3D Systems社がiPadに取り付けて利用できる3Dスキャナー「iSense」を発表しました。この「iSense」に見覚えのある人も多いはず。「iSense」はアメリカのスタートアップOccipital社がキックスターターで1億3千万円の支援を集めた「Structure Sensor」を、3Dシステムズ用に提供しているOEMモデルの商品。「iSense」はStructure Sensorアプリと互換性があるようです。価格は499ドル。日本円で約5万円。2014年7月~9月頃にCubifyにて発売の予定。ストラタシスがMakerBot社を買収したり、3Dシステムズ社がOccipital社から3DスキャナーのOEM提供を受ける等、大手3Dプリンターメーカーもあの手この手で市場に製品を投入してきます。

iSenseはiPadに接続して、そのiPadを持ちながらスキャニングしたい対象物の周りを歩いて撮影します。
スキャニングしたデータを3DプリンターCUBEで出力したり、3Dシステムズ社が運営するコミュニティー「Cubify」に投稿したりすることもできます。「Cubify」に投稿したデータは、家庭用3Dプリンターでは出力できないような素材での出力を、Cubifyで出力代行してもらうこともできます。

3Dシステムズ社は、家庭用3Dプリンターのラインナップとして、CUBEシリーズを展開していますが、家庭用3Dスキャナーは、ハンディータイプの「Sense 3D scanner」を販売しており、家庭用3Dスキャナーのラインナップとしては“Sense”をシリーズ化していくのかもしれません。それ以外にもハイエンドモデルのGeomagic Captureも発売していますが、こちらは約300万円という高価格帯となっています。

なお、本家「Structure Sensor」は、iPad用ブラケットとLightningケーブルが付いている「Structure Sensor for iPad」が約3万5千円(349ドル)で2014年5月頃に発売予定となっています。それよりも約1万5千円高い「iSense」はちょっと高い気がしますが、1万5千円分高い付加価値は何になるのでしょうか?アフターサポート等は非常に親切なことで有名な3Dシステムズ社。国内でもCubeのノズルが詰まった等の連絡をしたら、プリンターヘッドごと無料で送ってきてくれた等の報告もありますが、今回の「iSense」もそのような親切なアフターサポートとなるのでしょうか。ただ、3Dプリンターほど3Dスキャナーは壊れることが無いような気もします。

iPhoneが3Dスキャナーになるアプリ「Trimensional」

3Dプリンターを持っているけど、データが作れない。そんな人には3Dスキャナーに興味があるかもしれない。最近低価格3Dスキャナーが登場しているが、まずは3Dスキャニングを手ごろに試してみたいという人にはぴったりかもしれないアプリがある。iphoneアプリの「Trimensional」はiphoneで3Dスキャニングができるアプリ。実際の使い方は以下のビデオを見てもらうとわかるだろう。iphoneの画面の明るさをMAXにして、撮影環境を真っ暗にしてカメラで撮影することにより、光るの陰影から3Dモデルが生成されるという仕組みだ。
360度全てを3Dスキャニングできるわけではなく、例えば顔写真を正面から撮影して、その凹凸を立体データにする。最近は360度撮影できるカメラアプリ等もあるので、それらの技術と組み合わせたら、iphoneも通常のハンドヘルドタイプの3Dスキャナーになるのかもしれない。
使い方は、
・撮影環境を真っ暗にすr。
・iphone設定メニューで、画面の明るさを最大にする。
・Trimensionalを起動して撮影。
・撮影時間の5秒間程度はじっとしている。
・撮影完了。

ファイル形式はSTLにも対応しているので、そのまま家庭用3Dプリンターで出力することもできる。iphoneケースの背面等に用いると面白いかも。

低価格家庭用3Dスキャナー「Sense」が登場

家庭用3DプリンターCubeの製造販売等で有名な3D Systems社が、家庭用の3Dスキャナー「Sense 3D scanner」の発売を開始した。ここ最近家庭用の低価格な3Dスキャナーの登場が続いている。CADの技術が無いユーザーには、3Dスキャナーは新たな3Dプリンティングの楽しみ方を提案してくれるプロダクトかもしれない。これまでもハンディータイプの3Dスキャナーや、デスクトップ型の3Dスキャナー等は存在していたが、やはり価格が高かった。今年に入ってから、IndieGoGoで出資を募ったPhotonが低価格化の先陣を切って登場し、それに続くように3Dスキャナーの登場が相次いでいる。
3Dプリンティング市場での2大勢力において、3D Systems社のライバルにあたるStratasysは今年メーカーボット社を買収して、そのメーカーボット社は家庭用3Dスキャナー「Digitizer」を約14万円で市場に投入している。家庭用3Dプリンター市場においては、カードリッジ戦略の評判が悪く苦戦している3D Systems陣営は、3Dスキャナー市場においては、猛攻をかけてきた。それはなんといっても4万円という低価格。Digitizerがデスクトップの据え置き型に対して、3D Systemsはハンディータイプとなっている。3Dプリンティング市場の低価格化は目覚ましいものがあるが、ここしばらくはこの市場の盛り上がりは続いていきそうだ。

2万円を切る家庭用3Dスキャナー「Rubicon 3D scanner」

3Dプリンタ、3Dスキャナー、3D CADソフト。今後この3つは、3Dプリンティングにおける3種の神器となるかもしれない。この3つさえ使いこなせれば、どのような形状の物でも作り出せるようになる。2013年は安価な家庭用3Dプリンターがたくさん登場したが、2014年は安価な家庭用3Dスキャナーが数多く登場するかもしれない。それを象徴する出来事として、なんと2万円を切る199ドルの家庭用3Dスキャナーがクラウドファウンディングサイト、IndieGoGoに登場した。
IndieGoGoでの3Dスキャナーといえば、Photonが有名だが、そのPhotonを上回る低価格と機能性を有した3Dスキャナーとして登場したのが「Rubicon 3D scanner」。
出荷は12月を予定しており、クラウドファウンディングサイトにありがちな、実際の入手はかなり先、というようなことはないのもうれしい。
ここまで高機能で安価な家庭用3Dスキャナーが登場すると、MakerbotのDigitizer等は厳しい戦いをしいられるかもしれない。rubicon今年はCube等が大手家電量販店の店頭にも並んだが、Cubeの実売価格は168,000円。でも、来年の今頃は、3Dプリンターと3Dスキャナーをあわせても5万円以下で購入できるようになっていそうだ。rubicon

3DスキャナーPhotonが国内で販売

今年の夏前に、IndieGoGoで話題を集めた、カナダのスタートアップが開発/製造/販売を発表した、ハンディーサイズの家庭用3Dスキャナー「Photon」。IndieGoGoで予約したユーザーもいるかもしれない。欧米のベンチャーが家庭用3Dプリンターを続々と開発/発表するなか、颯爽と現れたのがMatterform社が開発/製造/販売を発表したPhotonだ。当初は800万円を目標としていたが、最終的には4,400万円の支援を集めた。販売予定価格は44,000円。IndieGoGoでの支援者には34,000円で販売する。Photonは、190mm×190mm×250mmまでの大きさのスキャニングが可能。バンドルされるソフトで、STL/OBJ/PLY形式の出力が可能。そんなPhotonの国内販売をゲッコー・アンド・カンパニーが手掛ける。Photonを並行輸入し、国内での販売を行う。完全予約制の販売で、出荷開始予定日は2014年1月27日となっており、10月中に予約した人には割引価格として64,800円で販売する。
スキャニングしたデータを付属のソフトで「3ds Max」「Maya」「Cinema 4D」「Google Sketchup」等でも使えるようにファイルの出力が可能。クラウドファウンディングでの資金調達時は400ドルという低価格が大きな話題となっていたが、あまりの引き合いの強さに、実際の販売価格を579ドルと値上げをしているのは、若干残念。うーん、ここは頑張ってほしかった。スキャニングには最速モードと高品質モードがあり、長くても10分程度でスキャニングできる。

・本体サイズ:高さ34.5cm×幅21cm×奥行34.5~8.5cm
・重量:1.71kg。
・スキャニングサイズ:高さ25cm×奥行18cm
・対応重量:3kg
・スキャニング速度:最速5分/最高品質10分。
・スキャン精度:0.43mm/誤差±0.25mm。
・動作温度:15~32度
・対応OS:Windows7以上/Mac OS X 10.6以上。
・出力ファイルフォーマット:STL/OBJ/PLY。
・光学機能:HD CMOSセンサー/レーザー出力×2
・接続端子:USB2.0
・電源:110~240V/2A/50~60Hz/12V DC出力。
・付属ソフトウェア:Matterform Scan

つい先日、Makerbot社の3DスキャナーDesitizerの国内販売をBRULE社が発表したが、今後は家庭用スキャナー市場が熱くなるかもしれない。
Desitizerの国内販売価格が179,800円となっており、それと比較すると、多少は値上げしたとはいえ、Photonの価格設定は非常に競争力のある値段である。

3DスキャナーDigitizerが国内で販売

家庭用3DプリンターMakerbot Replicatorを製造販売するMakerbot社が8月に製造販売を発表していた3Dスキャナー「Digitizer」の国内発売が発表された。国内で取り扱うのは、BRULEの日本法人。早いタイミングでMakerbot Replicatorを国内で取り扱っていたので、名前だけは知っている人も多いだろう。最近では秋葉原に様々な3Dプリンターを展示し試すことができるショップの運営等も行っている。12月から出荷を開始する予定で、直販価格は179,800円。アメリカ本国では10月から1,500ドルで発売される。日本円にすると、現時点での為替相場だと15万円弱。アメリカ本国のMakerbotStoreで購入するよりも3万円程高いが、輸入手続き等を考えるとBRULEから購入した方がトータルコストとしては良い場合もありそうだ。現在すでにBRULE者のWebサイトより予約を受け付けている。

スキャニングできるオブジェクトのサイズは、203×203mm(直径×高さ)。重量は最大3Kgまでの物が可能。130万画素のCMOSセンサーと、2つのラインレーザーでスキャニングを行い、約20万ポリゴンまでの3Dデータとして読み取ることができる。このスペックがどうなのかは、比較できる製品が無いと、どうなのかはまだ判断できないだろう。スキャニング速度が気になるところだ。付属のソフトウェアは「MakerWare for Digitizer」。こちらのソフトでスキャニングした3DデータをSTL形式で出力し、このSTLファイルを3Dプリンターに読み込み出力する流れだ。
・価格:179,800円(BRULEでの直販価格)
・精度:±2mm
・表面解像度:0.5mm
・本体サイズ:411×475×20.3mm(幅×奥×高)
・重量;約2.1kg
これでまた家庭でのモノづくりが一歩進化するかもしれない。一家に一台、家庭用3Dプリンターと、家庭用3Dスキャナーが普通に存在するような時代が来るのだろうか。

キネクトで3Dスキャン

CADソフトで3Dデータの作成は、それなりの専門知識が必要でハードルは高い。そんな時に、目の前のオブジェクト等を気軽にスキャニングして3Dプリンティングしたいと思う人は多いと思う。3Dプリンターが注目を集める中、今後は3Dスキャナーも続々と登場してくると思われる。最近注目を集めた3Dスキャナーといえば、IndieGoGoで多くの支援金を集めたPhotonかもしれない。Photonはカナダのベンチャー企業で、安価なデスクトップ3Dスキャナーの開発を行っている。ただ、デスクトップ3Dスキャナーでスキャニングできるオブジェクトのサイズは限定的な物になってしまう。例えば、自分自身のフィギュアを作りたいと思った時、デスクトップ3Dスキャナではもちろん不可能だ。そこで利用できるソリューションとして、マイクロソフトXboxのキネクトを使った3Dスキャニングだ。この技術を開発したのは、ポータブル3Dスキャナーを開発しているFARO社。FARO社は、キネクトのモーションセンサーを3Dスキャナーに変更することができる無料のアプリを開発した。キネクトをアプリがインストールされたパソコンへつなぎ、スキャンをするだけ。現時点では3Dスキャナは非常に高額な物だが、このような技術の活用によって、手軽に3Dスキャニングを行い、3Dプリンターで出力するといった楽しみ方ができるようになるかもしれない。