3Dプリンターで1年で20万円の節約になるって本当?

LINEで送る
Pocket

テッククランチからの記事だが、3Dプリンターを活用すると、1年で約20万円の節約ができる、というミシガン工科大学の研究者が発表した研究の記事があった。あくまで一般消費者の家庭にあたえる影響を予測した物なので、現時点では実際にそのような節約が発生していることはあまりないだろう。調査結果によると、1年間に20個の様々なオブジェクトを出力した場合、控えめにみても、年間で約30,000円の節約になると見積もられている。最大ではなんと20万円。Cubeが約17万円で販売されていることを考えると、1年で回収できるROIだ。本当なのだろうか?実際に3Dプリンターを購入してから様々な物をプリントアウトしている私自身の実体験から述べるとすると、まだまだ実生活で代用できるようなオブジェクトを3Dプリンターからプリントアウトできているかというと、そうでもない。完成度/強度/使い勝手/デザイン性等を考慮すると、日常生活の中でふと必要になった物などは、3Dプリンターでデータを作成して、もしくはThingiversのようなサイトからデータを探し出して3Dプリンターで出力するよりは、近所のホームセンターで購入した方が早いし、時間等を考慮すれば、ROI的にもそっちの方が優れている。
近い将来、本当に必要な物等は、3Dプリンターで代用できるようになるかもしれないが、現時点においては、
・3Dプリンターの性能。
・フィラメント等の素材の品質と価格。
・出力するデータそのもの。
等の要素が発展途上であることを考えると年間20万円の節約というのは、ちょっといいすぎかも。でも考え方によっては、例えば子供のいる家庭で、子供がいろんなおもちゃほ欲しがる場合、それらを全て3Dプリンターからの出力オブジェクトで代用すれば、それなりの節約額になるのかもしれない。ただ、私が子供のころに、年間20万円ものおもちゃを購入してもらった記憶はなく、思い出してみても、ファミコンのソフト数本、とかなので、年間1万円から2万円くらいだった。ちなみに今現在、私自身が3Dプリンターで出力したもので、実際に使っている物は、コップ等の食器程度。それも食事用などではなく、洗面台で歯磨き用に使っている。フィラメントの素材のコストや、出力にかかった時間等を考えると、100円ショップで購入した方が早くて安いのかもしれないが、3Dプリンティングは現時点においてそういうものと比較するものではないのかもしれない。
100円ショップで購入するよりも、もっと多くのわくわく感や、様々な気付きや学びが得られ、多くの人が様々な未来を予測することが現時点における3Dプリンターが持っているポテンシャルなのかもしれない。

LINEで送る
Pocket