最近ホームユースとして手ごろな価格で手に入る3Dプリンターは、積層形式で造形を行い、素材はPLAやABS等のフィラメントを用いる。また最近では木材を素材に用いた3Dプリントサービス、ウッドライク等も存在する。今後様々な素材の3Dプリンティング技術が登場すると思われるが、今回は紙を素材とした3Dプリンターが登場した。A4サイズのコピー用紙で100万色以上のフルカラー出力が可能とのことだ。この製品を開発したのは、アイルランドのmcor technologies社。8月1日から日本でも発売される。製のフルカラー3Dプリンター「McorIRIS」が、8月1日から日本でも入手可能になった。
3Dプリンティングにおいて気になるのが、素材のコストパフォーマンス。フィラメントや樹脂等は、現時点ではまだまだ高価なものだ。しかしMcorIRISは紙を素材とすることによって従来の樹脂を原材料とする3Dプリンターの約20分の1にコストを抑えられる。素材が紙、と聞くと強度が心配になってくるが、市販にコーティング剤等での処理により、木材同等の強度になる。火をつけたら燃えるのだろうか?
・積層ピッチ:0.1mm
・造形サイズ:約幅256×奥行169×高さ150mm
・対応ファイル形式:STL/OBJ/VRML
・対応OS:Windows XP/Vista/7
・筐体寸法:幅950×奥行700×高さ800mm。
・重量:約160kg。
・本体価格:618万円
日本国内では、ジェービーエムが輸入販売を開始しているが、現時点では納期に3か月程かかる。
紙で3Dプリンティング、というのがいまいちイメージがわかないが、石膏を原材料とした3Dプリンターだと、造形後に石膏の塊の中からオブジェを抜き出すが、Mcor IRISの場合だと、もちろん、コピー用紙1枚1枚を使って積層していくのだと思うが、コピー機に入れるコピー用紙の束(固まり)から、オブジェクトが出てくるような感じかもしれない。そう考えると、すごい量の紙が必要なのと、かなりの紙屑が生まれるような。普通にコピー機で2Dプリントアウトする感覚で考えると割高に感じるかもしれないが、それでも紙を原材料とできることは画期的な製品かと思う。