カテゴリー別アーカイブ: 3Dプリンター 技術

3Dプリンターの技術は日進月歩です。衣食住も3Dプリンターで作れたり、もはや3Dプリンターで作れない物を探す方が難しいのかもしれません。

3Dプリンターで生物をプリントアウト

衣服、靴、食べ物、家、鍵、銃、もう3Dプリンターで作れない物を探す方が難しいくらい、何でも作れてしまう3Dプリンター。そんな3Dプリンターだが、次はなんと生きた組織を3Dプリンターで印刷してしまう研究がイギリスのオクスフォード大学で研究されているらしい。はたして「生きた組織」とは何なのか?
詳細はネイチャーのサイトに記載されているので、興味のある方はご覧になっていただきたい。とはいえ、まだこの研究は初期段階にあり、実際医療の世界等で利用されるようになるには、まだしばらく時間がかかるようだ。次は3Dプリンターで何を作れるようになるのか。もはや3Dプリンターで作れない物は無いのかもしれない。

3Dプリンターで鍵の複製

新しい技術が登場したら、それをどう使うかは使う人のモラルによるところが大きい。例えば3Dプリンターで銃を作ることができ、その銃のCADデータを公開している人等もおり、大きな問題となっている。今回は、3Dプリンターを使って、鍵を複製する人が現れた。それも、普通の鍵ではなく、鍵メーカーが複製不可能と自信をもっていた鍵がなんと3Dプリンターでの複製に成功してしまったのだ。1920年にアメリカで創業したシュレイジ社は、家庭用や業務用としての高品質な鍵「プリマス」を製造販売している。そのプリマスは、高度な技術により高いセキュリティー性を売りとしており、複製は不可能とされていた。しかし、そんなプリマスの鍵を、マサチューセッツ工科大学の学生が、自身が開発したソフトウェアを使って鍵の形状を解析して、そのデータを3Dプリンターで出力したところ、その鍵で錠を開けてしまった。実際の出力は、家庭用3Dプリンターではなく、オンラインの高出力な3Dプリンター出力サービスを使って作った。実際の価格は、ナイロン製が500円で、チタン製だと15,000円。今後、このような、革新的な技術を、不正的に活用しようとする人たちは必ず現れるだろう。今回のMITの学生は、鍵の複製により何かの犯罪を犯そうとしたわけではなく、技術の進歩により、新たにこのような課題も生まれているという警笛をならしたのであるが、改めて色々考えさせられる事例である。せっかく盛り上がってきた3Dプリンティング市場を、3Dプリンター銃や鍵の複製等の側面で取り上げられることにより、冷や水を浴びせるような事にはならないでほしい。

頭の中にイメージした物を3Dプリンターで出力

頭の中に思い描いたイメージ等を、3Dプリンターでプリントアウトする。はたしてそんなことができるのだろうか?最近は、necomimiやEPOC neuroheadset等、脳波を読み取り何等かの形で出力するガジェットが注目されている。そんなガジェットと3Dプリンターを組み合わせた時に、どのようなことができるのか。ジョージ・ラコウスキーが代表を務めるクリエイティブ集団「Thinker Thing」はEPOC neuroheadsetと既存の家庭用3Dプリンターを組み合わせて、脳波を検知することにより、頭の中に想像した物を3Dプリンターでプリントアウトするというアートプロジェクトを行っている。Emotiv社のEPOC neuroheadset(BCIヘッドセット)を使って、脳波のインパルスを読み取り、それをPCに送って、最終的には3Dプリンターで出力する。実際に頭の中に描いた形状がそのまま忠実に3Dプリンターで出力されるという訳ではなさそうだ。EPOC-neuroheadset人それぞれのその時々の脳波はユニークな物である為、その脳波のデータをオリジナルデータに変換して、それが3Dモデリングされるようだ。実際に自分が頭の中でイメージしたものがどのような形状で出力されるか、非常に興味があるが、実際に頭の中で思い描いた形状ではないのがちょっと残念。この発想なら、例えばユニークなライフログ等を特定のデータに変換してそのデータを3Dプリンターで出力する事等、なんでもできそうだ。まず人は何か物を作る時に、紙に描いたり、またはCGソフトで形にしたりするのかもしれないが、その工程の前には必ず頭の中で自身が形にしたい物を思い描くと思う。もしその頭の中のイメージが、そのまま3Dプリンター等で形にできるなら、それはすごい未来になりそうだ。

紙で出力する3Dプリンター「McorIRIS」

最近ホームユースとして手ごろな価格で手に入る3Dプリンターは、積層形式で造形を行い、素材はPLAやABS等のフィラメントを用いる。また最近では木材を素材に用いた3Dプリントサービス、ウッドライク等も存在する。今後様々な素材の3Dプリンティング技術が登場すると思われるが、今回は紙を素材とした3Dプリンターが登場した。A4サイズのコピー用紙で100万色以上のフルカラー出力が可能とのことだ。この製品を開発したのは、アイルランドのmcor technologies社。8月1日から日本でも発売される。製のフルカラー3Dプリンター「McorIRIS」が、8月1日から日本でも入手可能になった。
3Dプリンティングにおいて気になるのが、素材のコストパフォーマンス。フィラメントや樹脂等は、現時点ではまだまだ高価なものだ。しかしMcorIRISは紙を素材とすることによって従来の樹脂を原材料とする3Dプリンターの約20分の1にコストを抑えられる。素材が紙、と聞くと強度が心配になってくるが、市販にコーティング剤等での処理により、木材同等の強度になる。火をつけたら燃えるのだろうか?
・積層ピッチ:0.1mm
・造形サイズ:約幅256×奥行169×高さ150mm
・対応ファイル形式:STL/OBJ/VRML
・対応OS:Windows XP/Vista/7
・筐体寸法:幅950×奥行700×高さ800mm。
・重量:約160kg。
・本体価格:618万円
日本国内では、ジェービーエムが輸入販売を開始しているが、現時点では納期に3か月程かかる。
紙で3Dプリンティング、というのがいまいちイメージがわかないが、石膏を原材料とした3Dプリンターだと、造形後に石膏の塊の中からオブジェを抜き出すが、Mcor IRISの場合だと、もちろん、コピー用紙1枚1枚を使って積層していくのだと思うが、コピー機に入れるコピー用紙の束(固まり)から、オブジェクトが出てくるような感じかもしれない。そう考えると、すごい量の紙が必要なのと、かなりの紙屑が生まれるような。普通にコピー機で2Dプリントアウトする感覚で考えると割高に感じるかもしれないが、それでも紙を原材料とできることは画期的な製品かと思う。

3Dプリンターで食品をプリントアウト

先日、火星に住居を3Dプリンターで建築するというニュースがあったが、今度はNASAが食品を3Dプリンターで作り出すプロジェクトの研究に資金投入をする発表をした。長期の宇宙滞在の時に宇宙食が用いられるが、3Dプリンターで食べ物が作ることができれば、調理の食材を作れる以外にも、出力プログラミングによって、アレルギーに配慮したりすることができる。食べ物をプログラミングして、アレルギーや、食感、風味等を調整することができるとは、まさに未来の技術のように思われる。
この新技術を考案したのは、機械工学エンジニアのアンジャン・コントラクター氏。コントラクター氏が勤務するシステムズ・マテリアルズ・リサーチ・コーポレーション(SMRC)社は、NASAから約1,200万円の資金提供を受けることになった。
最初の試作品はピザになる予定。3Dプリンターピザが生まれるのは、そう遠くはなさそうだ。

3Dプリントのケーキ屋さん

今年は様々な3Dプリンティングサービスが登場しているが、実は数年前から、3Dプリンティング技術を利用した砂糖菓子を作っているサービスがあることをご存知だろうか?Sugar Labはカリフォルニア州にある、3Dプリンタで作る砂糖細工を提供するサービスだ。このビジネスモデルは、個別の砂糖菓子の作成から始まった物だが、現在では著名なパティシエやハリウッドの有名なベーカリーとのコラボ等で新たなステージに進んでいる。
菓子細工職人等が伝統的な技法で作り出す、芸術的な菓子細工市場がある一方、このような新たな技術によって、これまで存在しなかったような市場が切り開かれるかもしれない。3Dプリンティング市場は現在、3Dプリンターのハードを制作する領域に注目が集まりがちだが、今後はこのような新しいソフトやサービス等が続々と生まれてくると思われる。
Sugar Lab