超小型/高機能/低価格(2万円以下)と3拍子揃った3Dプリンター「The Micro」

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先日ニューヨークで開催された3D Print Showで、超小型の3Dプリンタ「The Micro」が発表されました。これまでも小型の3Dプリンターはいくつかありましたが、「The Micro」は超小型/高機能/低価格、とトータルで見ても非常に完成度の高い製品となっています。3Dプリンター本体の筐体サイズは185mm×185mm×185mmと超コンパクト。そのため最大造形サイズも幅109mm×奥行き113mm×高さ116mmと小さいですが、ちょっとした物を作るには十分なサイズでしょう。

フレームはカーボンファイバーを採用しており、重量も1キロと超軽量。積層ピッチは50~350μm(0.05mm~0.35mm)、利用するフィラメントは直径1.75mm。ABS/PLA/ナイロン/木材フィラメント等、様々なフィラメントに対応しており、Micro Motion Sensor Chipにより、15μm(0.015mm)のX/Y位置決め精度を実現しています。また付属の専用ソフトウェア以外にも、上級者はオープンソースソフトウェアを使用することもできるようです。プリント中の反り返り等を防ぐ為に、温度を適切に保つセラミックヒーターも備えており、対応フォーマットはSTL以外にもOBJ/XYZにも対応。省エネにもこだわっており、10分の利用で15W程度という省電力設計にもなっています。

このように聞くと、小型のわりにはかなりハイスペックで、デザインも非常に洗練されており、採用されている素材等からもしっかりした作りのようなので、それなりの価格かと思いきや、なんと199$~299$の価格帯を予定しているとのことです。3月からキックスターターで資金調達を開始する予定ですが、そこで詳細な販売価格等も発表されるでしょう。

1台20,000円を切る価格であれば、5台購入しても10万円以下。5台同時に動かして複数のパーツを同時に出力して、それぞれのパーツの出力が終わったら、パーツを組み立てて出来上がり、みたいな使い方もできそうですね。国産の3DプリンターSCOOVOが189,000円、Cube3Dプリンター(現行モデルの2nd Generation)が168,000円ですが、積層ピッチや使えるフィラメントの種類等を比較する限りでは、「The Micro」の方がトータルで上回ってるように感じます。実際の出力精度や品質、スピード等も比較してみたいですよね。造形サイズはSCOOVOやCubeの方が大きいですが、もしぞれだけの差でこの価格差としたら、みなさんはどちらを選びますか?3D Systemesは、2014年の第2四半期に10万円を切るCube3の販売を控えています。SCOOVOを製造販売するオープンキューブ社も、次の手を考えているかもしれませんね。是非とも国産メーカーにも頑張ってほしいところです。

ここまで小さくて、高機能で、低価格な3Dプリンターが登場し始めると、10万円以上する家庭用3Dプリンターは、その他の圧倒的な差別化が無い限り、今後市場に受け入れられることは厳しくなっていくのかもしれません。2014年3月に「The Micro」がキックスターターに登場するとのことなので、そこでの詳細を待ちたいと思います。「The Micro」については引き続きレポートしていきたいと思います。

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