3Dプリンターでスマホを生産!組立式携帯電話Project Ara

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最近Googleがモトローラをレノボに売却したニュースが騒がれています。2012年に125億ドルでGoogleはモトローラを買収しましたが、2年もたたずに29億1,000万ドルでレノボに売却しました。約1兆円も損をしているように見えますが、モトローラの保有していた特許等はGoogleが所有し、レノボは特許利用をライセンスするという形になっているようです。
この特許と併せて注目を集めているのが、モトローラのR&D(研究開発)部門のATAP(Advanced Technology and Projects)です。このATAPもGoogleに残ることになりました。約100億ドルの価値は、モトローラの保有していた特許とこのATAPということになるのでしょうか。ではこのATAPとは何か?現在のATAPを率いるRegina Dugan(レジーナ・デューガン)氏は、かの有名な米国のマッドサイエンティスト集団?DARPAの長官を3年間務めた人物です。DARPAとは米国の国防総省向け軍事テクノロジを扱う米国防高等研究計画局。DARPAではインターネットの元となったARPANETやGPSなども生み出しています。安倍政権においても、日本版DARPAとして「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)は550億円の予算が投じられたりしています。
そんなATAPのプロジェクトで最も有名なものが、組立式の携帯電話プロジェクト「Project ARA」です。Project araこのProject ARAとは何か?携帯電話で、カメラは高機能な物が欲しい、バッテリーは長時間持つ物が欲しい、ストレージが大きいサイズの物が欲しい、Bluetoothはいらない等、コモディティー化した携帯電話市場は様々なニーズが細分化されてきています。そのような時代背景を見越して、ユーザーが自分の欲しいスマホを組み立てて自分好みの携帯電話を作る事ができるプロジェクトが「Project ARA」です。またAraと同様のコンセプトを展開するオランダ人デザイナー、Dave Hakkens 氏が展開するプロジェクト「Phonebloks」 との協力も発表されています。PhoneBlock

この取組の中でも3Dプリンティング技術が活用されていくようです。3D Systemsはこのモジュール式組み立てスマホプロジェクトのProject ARAにおいて、様々な技術協力をする契約を結びました。マルチマテリアルプリントの能力や造形速度を向上させるなどして、新たなARA向けの製造ラインを立ち上げる予定となっています。Androidがソフトウェアのオープン化を推進するように、ハードウェアのオープン化という発想が今後広がっていくのかもしれません。もちろんモノづくりのオープン化を推し進める要素の一つとして、3Dプリンティング技術が活用されるのは間違いありません。マッドな科学技術が、私たちのライフスタイルをより楽しく、便利で、面白い物にしていく。その中心の一つに3Dプリンティング技術が存在していることを、日々実感せずにはいられません。近い将来、好みの機能/好みのデザインのあなただけのスマートフォンが自宅で作れるようになるのかもしれません。

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