3Dプリンターを購入して、実際に造形してみると、3Dプリンターの原理を理解できるが、話を聞いているだけでは、なかなかその原理を理解することは難しいかもしれない。ここ最近の3Dプリンターに関するニュースを見ていると、もはや3Dプリンターで作れない物はないと言っていいほど、なんでも作れてしまう。では、3Dプリンターの原理とはいったいどのようなものなのだろうか。昨今騒がれている家庭用3Dプリンターの造形方式としては、熱溶解積層方式と、光造形方式の二つがある。ではそれぞれの特徴を簡単に説明してみたい。
熱溶解積層方式
熱溶解積層方式とは、原料となるフィラメントをプリンターヘッド内で溶かして押し出し、それを何層にも重ねて造形していく方式だ。ここ最近の低価格な家庭用3Dプリンターは大半が熱溶解積層方式となっており、その理由としては、ABSやPLA等のフィラメント素材が比較的安価であるのと、特許が切れたとこにより、技術がオープン化されたことも大きい。最近では安い物だと2万円を切る3Dプリンター等も登場し始めているが、低価格3Dプリンターはほぼ全てがこの様式を採用している。
光造形方式
光造形方式は、紫外線を浴びると硬化する特性のある樹脂に、UV(紫外線)レーザーを当てて、樹脂の表面に造形物の断面を描いき硬化させ、この作業を繰り返して積層していくことにより立体物を作り出す。複雑え細かな物でも造形が可能であるが、値段が高く、また素材等に限りがありコストパフォーマンス的にも熱溶解積層方式に劣る。最近もっとも注目されている光造形方式の3Dプリンターと言えば、キックスターターで約3億円を集めたFormlabsのFORM1が有名だろう。
2013年は熱溶解積層方式の安価な家庭用3Dプリンターがたくさん登場したが、2014年は光造形方式の3Dプリンターがより安価に使いやすくなって市場に出回ることが予測される。今すぐ3Dプリンターを購入したい人なら熱溶解積層方式、もう少し様子をみたいという人なら、光造形方式が市場に出回るまで、もうしばらく待ってみても良いのかもしれない。ただし、この領域は日進月歩での技術進化が早いので、欲しいと思った時が買い時なのかもしれない。