カテゴリー別アーカイブ: 3Dプリンター 家庭用

ここ近年の3Dプリンターブームは、なんといっても十数万円で購入することが可能となった家庭用の3Dプリンターの登場にあります。手ごろな価格帯や、机の上におけるデスクトップサイズであったり、比較的安価に手に入るフィラメント等の材料等、近年の技術革新や市場の成長には著しい物があります。数年後には、一家に一台3Dプリンターの時代が来るかも。

49,800円の国産家庭用3Dプリンター「PRN3D」

キックスターター等で低価格の家庭用3Dプリンターの登場が相次いでいるが、国産メーカーも負けてはいない。東京都八王子市のマイクロファクトリーはRepRapベースの家庭用3Dプリンター「PRN3D」を49,800円で販売している。「PRN3D」は組み立てキットだが、完成品も59,800円で販売する。販売ルートは直販のみ。3Dプリンタで造形した樹脂パーツを多用することにより低価格化を実現した。
・最大造形サイズ:170mm×170mm×160mm
・フィラメント:PLA/ABS
・最小積層ピッチ:0.05mm
・本体サイズ:42cm×25cm×32cm

2万円を切る格安の家庭用3Dプリンター「QU-BD ONE UP」

ここ最近低価格の家庭用3Dプリンターの登場相次いでいるが、ついに2万円を切る家庭用3Dプリンターが登場した。キックスターターで支援を募ったQU-BD ONE UPは11月2日時点で既に2,000万円の支援金を集めており、製品名のとおりQU-BDのオープンソースベースでの組み立てキットになる。なので、組み立て等には多少の知識が必要になるが、これまでの組み立て式3Dプリンターよりも、デザインや構成がシンプルな為、比較的簡単に組み立てられるのではないだろうか。何故ここまでの低価格を実現できたかというと、プリンターのフレームにはメラミンでコーティングしたMDF(繊維素材に合成樹脂を加えてた素材)を採用したりしてコストを下げている。
・最大造形サイズ:175mm×175mm×125mm
・最小積層ピッチ:0.05mm。
Arduinoの電子回路を用いて、プリンターヘッダーはコスト低下の為に、PLAのみの対応となっている。PCから3Dプリンターへのデータ移動の為に、SDカードスロットも実装しているのがうれしい。実際の発送開始時期は2013年12月を予定。QU-BD-One-Up

2万円の激安家庭用3Dプリンター「A6 LT」

最近、家庭用3Dプリンターの低価格化が進んでいるが、なんと2万円で買える3Dプリンターがあることをご存知だろうか。それは、香港のMakibox社が販売している3Dプリンター「A6 LT」。売れ筋のSCOOVOやCube等が10万円台後半の価格帯となっており、ここ最近では10万円を切る3Dプリンターも登場してきた。しかしA6 LTはなんと2万円。ここまで安くなってくると、気軽に購入することができるかもしれない。何故ここまで家庭用の3Dプリンターで価格差が出るのか。それはまだこの市場が成長市場であるため、適正な価格がまだ定まっていないのかもしれない。
A6LT
・本体サイズ:29cm×23.5cm×23.5cm
・最大造形サイズ:15cm×11cm×9cm
・積層ピッチ:0.04mm
・フィラメント:PLA

この価格で積層ピッチが0.04mmとはかなりの高精細だが、実際のプリント品質が気になる。

ペン型3Dプリンター「3Dsimo」

ペン型の3Dプリンターといえば、3Doodlerが有名だが、今回は新たに3Doodlerよりも多くの素材が使える「3Dsimo」が登場した。使用できるフィラメントはPLA/ABS/PVA/ナイロン。フィラメントに合わせて温度設定をして用いる。IndieGoGOで支援を募っており、目標額は200万円。しかし現時点では残り17日で、まだ38万円しか集まっていないようだ。3Doodlerが初めて登場した時はインパクトがあったが、今回はどうしてもインパクトに欠けるのかもしれない。価格は1万円以下となっているので、通常の10万円以上もする家庭用の3Dプリンターには手が出せない人には、お手頃な価格かもしれない。もしくは、家庭用3Dプリンターで出力した物を改造したりするのに、この3Dsimoを使ってみるのはありかもしれない。例えば、家庭3Dプリンターで出力したコップに、3Dsimoでとってを付けてビールジョッキにしたり、そんな使い方は面白いかも。3Dsimo

3Dプリンター複合機ZEUS(ゼウス)が登場

次々と新しい3Dプリンティングマシーンが登場する中、次は3Dプリンターと3Dスキャナーの機能を一体化した3Dプリンティングの複合機が登場しました。その名はZEUS(ゼウス)。キックスターターで1,100万円の支援金を集めたようです。ゼウス本体にはタッチパネルが取り付けられており、このパネルで3Dモデルを確認しながらプリントアウトします。3Dスキャニングにおいての一つの課題はデータ補正。細かな微調整等を手作業で補正しないといけません。しかしこのZEUSは3Dスキャナーに自動補正機能が付いているようで、手動での補正は不要でコンピュータが自動で補正修復してくれます。また複合機というコンセプトなだけに、面白い機能がFAX機能。実際にはFAXではないですが、ゼウスから別の箇所にあるZEUSにデータを送って、そのマシンで出力することもできます。例えば自分が持っているコップをゼウスでスキャニングして、そのデータを友達のゼウスに送って、友達のゼウスで3Dプリントしてしまうこともできます。
3Dスキャニング×データ送信×3Dプリント、この組み合わせは、色んな可能性がありそうです。ここまでできる複合機なら、それなりの価格になりがちですが、なんと値段は199,900円。Cubeが17万円、Desitizerが15万円と考えると、この2つの機能を兼ね備えた端末がこの価格というのは、非常に魅力的である。

Buccaneer(バッカニア)が日本国内で販売

Kickstarterで大注目を集めた低価格な家庭用3Dプリンター「Buccaneer(バッカニア)」がついに日本国内でも販売される。Buccaneerは、そのデザイン性と低価格により、Kickstarterで大注目を集め、最終的にはなんと1億4千万円の支援金を集めた。なんといっても3万5000円という超魅力的な低価格。Kickstarterの支援者には2万5千円での販売価格であった。そんなBuccaneerをこの度、ゲッコー・アンド・カンパニーが並行輸入して国内販売することを発表した。11月8日までに予約注文すると、早割特典ということで、3万4,700円で購入できる。通常価格は5万4,700円とのことだ。出荷開始は2014年2月27日を予定。

ゲッコー・アンド・カンパニー経由でなく、直接Buccaneerを個人で輸入して購入するのであれば、3万5千円で購入できる。Kickstarter等のクラウドファウンディングは、このような魅力的な製品が、支援というかたちで低価格で入手できるのが魅力的だが、実際にモノが届くまでにそれなりの時間がかかるのが微妙なところだ。例えばこのBuccaneerがKickstarterに登場したのが、2013年の6月頃。で、今回のゲッコー・アンド・カンパニーの早割特典を受けるためには、2013年の11月8日までの予約注文が必要。でも実際に製品が出荷されるのは2014年3月。おそらく来年の3月頃には、またもっと魅力的な3Dプリンターや技術、トレンド等が生まれていることが予測できるが、市場の成長期にあるこのような製品は、欲しいと思った時が買い時なのかもしれない。

造形可能サイズが大きいGigabot 3D Printing

手ごろな価格で入手可能な家庭用3Dプリンターがブームになっているが、CubeやSCOOVOを使っている人は、もう少し大きなサイズの造形物を出力できればいいのにな、と思う人も多いのではないだろうか。そんな中、今年の5月にKickstarterに登場したのが「Gigabot 3D Printing」。約2,500万円をKickstarterで集めて注目を浴びた。なんといっても注目なのが、プリント面積が60cm×60cm×60cmという、非常に大きな造形サイズ。家庭用3Dプリンターでここまで大きな出力が可能な3Dプリンターは今までになかった。最近の3Dプリンターは、コンパクトサイズのコンセプトを打ち出した物が多かったがGigabot 3D Printingは真逆の大きな出力を追及。今もっとも売れている家庭用3DプリンターのCubeが14cm×14cm×14cmというサイズと比較すると、それの4倍以上の大きさだ。その大きさは以下の写真を見てもらうと実感できると思う。Gigabotこのサイズの物を出力するのには、いったいどれくらいの時間がかかるのだろう?Cubeでも物によれば10時間かかる場合もあるので、それと比較すると、数日かかるのかも?あとは、使用するフィラメントの量も気になるところだ。高いフィラメントだと、一つ出力するのにフィラメントのコストだけで1万円以上かかる場合もあるかもしれない。それにしてもこの大きさはすごいインパクトだ。ビックサイズ!

国産の3DプリンターMOTHMACH 3DP222

京都のS.ラボ有限会社が製造販売する国産の家庭用3D「MOTHMACH 3DP222」。樹脂加工機とCNC工作機製造で培った技術を生かして生まれた3Dプリンターは、造形サイズ20cm×20cm×20cmと、家庭用の3Dプリンターとしては比較的大き目。受注後、発送までには1か月程度かかるもよう。値段は115,000円と、CubeやSCOOVOと比較してもかなり安い。カラーは5色で、設計/製造共に全て日本国内で行っている。もちろん日本語マニュアルも用意されており、出力ソフト「Repetier-Host」もウェブ上で無料で提供されている。・出力方式:FDP(樹脂溶融押出積層式)
・最大造形サイズ:20cm×20cm×20cm
・本体サイズ:370mm×495mm×362mm
・フィラメント:ABS/PLA(1.75mm)
・積層ピッチ:0.1mm

romscraj PORTABEE GOはポータブルで低価格な3Dプリンター

国産のRepRap3Dプリンターとして、かなり早い段階で市場に格安家庭用3Dプリンターを投入していた、ルナヴァーストが12月10日より新製品の販売を開始する。今回新たに発売される新型3Dプリンター「romscraj PORTABEE GO」は、これまでのポータビーとは異なり、かなりデザインが洗練された物となっている。安くて国産ということでポータビーに興味を持ったユーザーも多いと思うが、むき出しのデザイン等は、初心者受けはあまり良くなかったと思う。それが今回は、かなりのデザイン性とポータブル性を兼ね備えた、完成度の高い製品となっている。通常価格は74,800円と、SCOOVOやCUBE等と比較しても半額以下となっている。11月20日までのキャンペーン期間中はなんと5万9800円といううれしい価格。この価格、このデザインで、出力品質さえ兼ね備えていれば、かなり最高な3Dプリンターなのではないだろうか。造形出力のプラットフォームが、筐体のケースも兼ねているといデザインも斬新。これまでポータビーと言えば組み立て式であったが、今回の製品は完成品というのも初心者にはうれしい。
romscraj-PORTABEE-GO・積層ピッチ:0.1mm
・ビルドエリア:120mm×168mm×135mm
・フィラメント:PLA
・ファイル形式:STL
・重量:2.8kg
・寸法:折りたたみ時208mm×225mm×79mm/展開時208mm×225mm×277mm。
・発売日:2013年12月10日
・キャンペーン期間:2013年10月22日~2013年11月20日
romscraj-PORTABEE-GO
このコンパクトさと品質でこの価格なら、2台目3Dプリンターというポジショニングもあるかもしれない。セカンド3Dプリンターとして、これは本当に欲しいかも。

国産の家庭用3DプリンターDS1000

スマイルリンクとディビジョンエンジニアリングが共同で企画開発した国産の家庭用3Dプリンター「DS1000」が11月から発売される。スマイルリンクは、スマートフォン用のアクセサリやタブレット用のアクセサリ等を企画製造販売する事業を行っている。ディビジョンエンジニアリングは、製造業向けソフトウェア開発やCAD/CAM/CAEの実務サービスの事業を展開している。そんな2社が共同で開発した国産の家庭用3Dプリンター「DS1000」。国内初の本格的な家庭用3Dプリンターと言えば、SCOOVO(スクーボ)が有名だが、これに続くことができるか。価格帯等もSCOOVOやCUBE等と近く、製品コンセプトも似通っており、ターゲットとするユーザー層も近いのかもしれない。国産家庭用3Dプリンターでうれしいのは、日本語マニュアルや、日本語ソフトウェア、アフターサポート。またネット上にコミュニティ・サイトを作成して情報共有をするなどのサービスも充実している。利用可能な造形素材は、PLA/ABS/ナイロン。
積層ピッチは0.05mm~0.35mmと、Cube等と比較しても高精細なところはうれしい。SCOOVOやDS1000に続く、日本人にとって使い勝手のよい、国産の家庭用3Dプリンターが今後もどんどん登場することを期待したい。
ds1000
■基本スペック
・積層ピッチ:0.05mm~0.35mm
・最大造形サイズ:105×105×105mm(幅×奥×高)
・フィラメント:PLA/ABS/ナイロン
・対応データフォーマット:STL
・価格:175,000円
・寸法:270mm×280mm×255mm(幅×奥×高)
・重量:約5kg