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関ジャニ∞が3Dプリンターでフュギュアに

3Dプリンターがまた一歩、一般市場に溶け込んだ。ジャニーズの人気グループ、「関ジャニ∞」が、約2年ぶりとなるオリジナルアルバム「JUKE BOX」を10月16日に発売する。それにともない15秒程度のTVスポット映像が公式サイトで公開されている。その映像は、メンバー7人が3Dプリンターで出力されたミニチュアフィギュアとして登場する。メンバー7人のミニチュアフィギュアはかなりの精巧さとなっており、服装だけではなく、メンバーそれぞれの表情等、非常に高精細に再現されている。ファンなら、このフュギュア、とても欲しいのではないだろうか。確かに自身が大好きなアーティスト等が3Dプリンターでフィギュアになれば、絶対欲しくなることは想像できる。家庭用3Dプリンターでは、この精度の出力はなかなか難しいので、おそらく工業用のハイスペックな3Dプリンターで出力されているのであろう。今後技術が進化して、家庭用3Dプリンターでも、このようなクオリティーの出力が可能になれば、また新たなプロモーション手法等に、3Dプリンティングが活用されるようになるかもしれない。

CubeでFilament Flow Failと表示された時の対応

家庭用3Dプリンターでよく起こるトラブルの一つとして、フィラメント詰まりがある。これは熱融解式の3Dプリンターならではのトラブルだ。CubeだとFilament Flow Failと表示されてフィラメントが送り出されないようになる。この時、フィラメントを送り出すローターは回転しているのだが、ホットノズルの中でフィラメントが詰まってしまったりして、フィラメントが文字通りFlow状態になり、「コンコンコン」とローターが空回りする音がする。この場合の対応としては、3D Systemsのサイトで動画で対処方が説明されている。

対処方としては、Load Cartridgeメニューから、通常通りの作業に入る。フィラメントを引き抜いてください、のメッセージが表示されるときに、ローターが逆に回りだし、フィラメントを上部に押し出そうとする。ローターの回転の向きを確認するためにも、プリンターヘッダーのカバーは、この時外しておくと作業がしやすい。この時にフィラメントがホットノズルの中に詰まっていると、上部に押し出す時にもフィラメントがローターの力だけでは引っ張り出せなく、コンコンコンのいつもの空回りの音がする。この時に、ローターの押し出す回転をサポートしてあげる意味で、フィラメントを上部に引っこ抜くように手で引っ張ってあげる。場合によってはペンチ等でフィラメントをはさんで引き抜いてもよいだろう。ただ、この時にあまりにも力強く引くと、フィラメントが切れてしまう場合がある。もしホットノズルの中にフィラメントが残ったまま切れてしまったら、ロードカートリッジメニューのフィラメントFeed時にホットノズルが熱せられるので、Cubeに付属しているピンでホットノズル内のフィラメントを押し出してあげれば解決する。ただこのピンによるフィラメントの押し出しはコツが必要なので、なれるまでには時間がかかるかもしれない。

フィラメントのABSとPLAの違い

最近の家庭用3Dプリンターで使うことのできるフィラメント(樹脂素材)は、主にABSとPLAの2種類がある。特に価格差等はなく、Cubeの場合だと、カートリッジとして税込6,300円で購入できる。ではABSとPLAの違いは何だろう?二つの素材の違いを理解することにより、造形の失敗を防いだり、少しでも綺麗な仕上がりや強度を満たせるかもしれない。以下に二つの特徴を纏めてみたい。

ABS
・ABSはPLAと比較すると粘りがある。
・構造部品として強度に優れている。
・出力後に、サンドペーパーややすり等の表面処理が比較的容易にできる。
・プラスチック用の塗料やアクリル系塗料での塗装が可能。
・成形が薄い物や大きい物は熱による収縮性があるので、成形中にプラットフォーム上で反ることがある。

PLA
・成形温度がABSよりも低く、粘りが少なく強固である。
・熱による変形が少なく、比較的大きい物等も作りやすい。
・トウモロコシ、ビート、イモ類、サトウキビ等の植物からつくられている。
・強固である為、成形後のサンドペーパーややすり等での表面仕上げには不向きである。
・ABS樹脂に比べると、出力後の塗装処理には不向きである。

それぞれに上記のような特徴がある。これらの特徴を理解した上で、出力する物の特性や大きさ、使い勝手等を考慮して、素材を適宜選ぶのがよいであろう。例えば置物やオブジェ等、仕上がりにこだわり、出力後に研磨等を行って色づけをするような物はABSが向いているのかもしれない。
逆に、出力後に色づけや研磨等はせずに、実用的な物として耐久性等を重視するのであればPLAが向いていそうだ。

家庭用3Dプリンターの大本命が登場:3D Printer Zim

3Dプリンター市場の今後の可能性を左右する要素としては、工業製品用途としての3Dプリンターではなくて、やはり家庭用3Dプリンターであろう。いかに一般家庭に3Dプリンターが普及するか。それが今後の3Dプリンティング市場の成長を左右する。そのようなテーマに真正面から挑戦する家庭用3Dプリンターの大本命が登場した。その名は「Zim」。一般コンシューマ向けに究極にこだわった3Dプリンターだ。現時点における3Dプリンターで最も家庭用として評価されている3Dプリンターは、3D Systemsが製造販売するCubeだろう。かなりの洗練されたコンセプトにより、世界中で今もっとも売れている家庭用3Dプリンターである。ただ、そんなCubeでも、本当の意味での一般的なユーザーにとっては敷居は高い物なのかもしれない。Cubeといえども、それなりのPCやCADに関するリテラシーが無いと、自由に使いこなすことはできないかもしれない。そのような敷居をもっと下げて、本当の意味での家庭用3Dプリンター市場を開拓しようとしているのが「Zim」だ。Zimを製造販売しているのは、アメリカのコネチカット州にあるStamfordのZeepro社。やはりこの領域では米国が強い。現在はKickstarterで支援者を募っており、そこで訴えている彼らのメッセージは、「私たちが作りたい3Dプリンターは、買ってその場で箱から出したら、そのまますぐに使える家庭用のパーソナル3Dプリンタ!」だ。いかに3Dプリンターで面倒な工程を省いて、簡単に出力することができるか、それにこだわっている。特徴としては、洗練されたデザイン、アルミ製の筐体、そして面白いのが、3Dプリンター本体に付いているカメラがプリントアウトの進捗を撮影してスマホアプリで見ることができる。

気になる、3Dプリンターとしてのスペックは、
・積層ピッチ:50ミクロン
・プラットフォームサイズ:205立方インチ(5.9×5.9×5.9)
・価格
-Kickstarterでの支援者特別価格:599ドル
-通常販売価格:900ドル(予想)
・発売予定日:2014年3月
現時点でKickstarter既に$216,098も集めている。日本円にして約2,000万円。目標額は30万ドル(約3,000万円)だが、おそらく達成するであろう。ただキックスターターは非常によいエコシステムなのだが、3Dプリンティング市場においては、この場合だとコレが手に入るのは来年の3月。あまりにも市場のイノベーションスピードが速くて、来年の3月には、もっと驚くような革新的な製品が出てきているのかもしれない。

家庭用3Dプリンターとしては最大級の造形サイズ:Creatr

家庭用3Dプリンターを選ぶ際に、検討するポイントの一つに、出力できる造形サイズにこだわる人もいるだろう。そのような人におすすめの家庭用3Dプリンター「Creatr」の国内販売が10月1日から始まった。「Creatr」はオランダのLeapfrog社が開発したFDM方式のパーソナル3Dプリンター。この3Dプリンターを株式会社システムクリエイトが日本国内で販売を行う。「Creatr」の特徴は、なんといっても出力可能な造形サイズ。最大で70mm×230mm×200mmの大きさのモデルを出力できる。デザインも洗練されており、アルミフレームとスチールパネルを用いた筐体は、アルミパーツを採用しているので、大きさの割には以外と軽く、にもかかわらず堅牢性にも優れている。今日本国内で一番流通していると思われるCube3Dプリンターのプラットフォームサイズ(造形サイズ)が140mm×140mm×140mmとなっており、それと比較すると、「Creatr」の270mm×230mm×200mmの大きさは魅力的だろう。

・本体サイズ:500mm×600mm×500mm
・重量:32kg
・ノズル径:0.35mm
・積層ピッチ:0.05~0.35mm
・対応材料:ABS/PLA
・シングルヘッドタイプ:357,000円
・デュアルヘッドタイプ:388,500円
・フィラメント:15,750円/1kg
トラブル時のサポートは、システムクリエイトがサポート。
※システムクリエイト:http://www.systemcreate-inc.co.jp/

 

超小型3DプリンターLumiFold

昨今様々なコンセプトの3Dプリンターが登場しているが、今回は、数センチ四方程度の大きさの物を作る非常に小さな折り畳み式の3Dプリンターが登場した。その3Dプリンターは「LumiFold」。大きさは90x90x90ミリというち小ささで、UV感光樹脂をの造形方式により、かなりのクオリティのオブジェクトを造形できる。以前、当サイトでも持ち運びが可能なポータブル家庭用3Dプリンター「Bukito」を紹介したが、今回の「LumiFold」はそれよりも小さい。
毎度のことながら、このプロジェクトもIndieGoGoで出資をつのっており、1500ドル程度の資金を調達して、429ドルでプリンターを売ろうとしている。
15万円の資金調達で、4万円の商品を売ろうとしているが、そんなに安価な資金調達で実現可能なのだろうか?本日時点で、4,600ドルを調達しているので、目標の1,500ドルはクリアしている。

このプロジェクトをリードしているのは、イタリアのMarin Davide氏。これまで様々な3Dプリンターのプロジェクトがキックスターターやインディーゴーゴーで出資を募ってきたが、今回のプロジェクトはまたそれを一歩前進させたようなプロジェクトだ。この先も、われわれの想像を覆すような3Dプリンティングの製品コンセプトが続々と登場することを期待せずにはいられない。

家庭用CNCマシン:Handibot

CNCとは、コンピュータ数値制御(Computer Numerical Control)の略称で、機械工作において工具等の移動量や移動速度などをコンピュータで制御して部品やパーツ等を切り出して作る方法の事。複雑なデザインであっても、コンピュータで制御することにより、同じ物を複数繰り返して作成したり、複雑な形状も精緻なレベルで作り出すことができる。最近では3Dプリンターの注目により、モノづくりブームが到来しており、CNCという言葉もよく聞くようになった。ただ、さすがにCNCマシンは、まだまだ高価な物であり、3Dプリンターのように、家庭用にまで普及するものではない、と考えるのが普通だろう。
だがしかし、アメリカのノースカロライナ州にあるCNCメーカーが、デスクトップパソコンと同じくらいの大きさのポータブルCNCマシンを作ってしまった。その名は「Handibot」。通常のCNCマシン同様、切断/穴開け/加工/彫刻等の作業もできるのにもかかわらず、コンパクトサイズなので、持ち運びもできてしまう優れもの。このCNCマシンとパソコンをつないで、専用ソフトウェアで操作を制御する。まさに家庭用CNCマシンといったところか。

こちらの製品は、Kickstarterで支援を募集しており、1250万万円の目標額を大きく上回る3,500万円が集まったようだ。
さすがDIY大国アメリカ。このような製品を作り出す人もいれば、このような製品を欲しがる人も沢山いて、キックスターター等で出資を募れば、あっというまに数千万円集まってしまうところがすごい。

3Dプリンターでサグラダ・ファミリアの完成が早まる?

スペインのバルセロナにある「サグラダ・ファミリア」は、誰もが知っている有名な教会でもあり、建築物でもある。バルセロナのシンボルでもあるこの建物は、1984年に世界遺産に登録された建築家アントニ・ガウディの未完の作品としても有名だ。1882年から開始された建築はいまだに続いており、着工から約130年経った現在でも建築作業は続いている。過去には完成までに300年はかかると言われていたが、スペインの経済成長や、様々な建築技術の進化によって、日々加速していると言われている。そして最近ではガウディの没後100周年にあたる2026年の完成を目指していることが発表された。300年もかかるといわれていたのに、2026年に完成するなら、150年で完成ということになる。日々の技術の進歩といっても、あの複雑な建造物の建築計画を300年から150年の半分にも縮めた原因は一体何なのか?
その技術的革新の理由の一つに3Dプリンティングがあるという。確かにあの複雑な形状を忠実に再現するには、3Dプリンターはうってつけの技術かと思われる。ただ、ガウディはサグラダファミリアの設計図を残していないと言われており、元となるデータはどのようにして起こされているのかは気になるところだ。もしサグラダファミリア全体の精緻な3Dプリンターデータが公開されたら、家庭用3Dプリンター等を用いて、一般家庭でサグラダファミリアが作れるようになるかもしれない。

Metasequoia4が3Dプリンターに対応

株式会社テトラフェイスは「Metasequoia4」を9月30日から販売を開始する。今回注目の機能は、モデリング機能を強化し、3Dプリンターで出力可能なSTLファイル形式の入出力に対応する。「Metasequoia4」は3DCGを作成するために、ゲーム開発などで用いるポリゴン立体形状データを作成するWindows用ソフトウェア。3DCGソフトは何かと高価な物が多いが、Metasequoiaは手ごろな価格で様々な機能を有している。基本的な機能が使える「Standard版」と、Unityなどでも使用されるFBXファイル/COLLADAファイルや、3Dスキャナー等で用いられるPLYファイル等にも入力/出力の両方に対応している、「EX版」の2つのバージョンが用意されている。今後3Dスキャナー等が手ごろな価格で登場しはじめると、PLYファイルやSTLファイル等を一つのソフトウェアでシームレスに取扱いたいというニーズが出てくると思われる。これらのニーズをこの価格、この性能を提供するメタセコイアは今後注目のソフトウェアになりそうだ。家庭用3Dプリンター等が手ごろな価格で登場し始めているが、3Dプリンター周辺のソフトウェア等も合わせて手ごろな価格になってくることによって、ホームユースでのモノづくりが一層盛り上がってくると思われる。

http://metaseq.net/
・Metasequoia4 Standard:5,250円
・Metasequoia4 EX:19,950円
※Ver3.1以前からのバージョンアップパッケージも有り。

家庭用3Dプリンターの現状

昨今のモノづくりブームで、3Dプリンターに関するニュースを目にしない日はない。大手家電量販店で家庭用3Dプリンターの発売が開始されたり、国産の3DプリンターScoovoが登場したりと実際に様々な動きが出始めている。では、実際に家庭用プリンター等はどの程度現時点で普及しているのだろうか?そのような調査を、インターネットコムとgooリサーチが行った。全国の10代から60代以上のインターネットユーザー約1,000人に3Dプリンターの利用動向等を調査したところによると、3Dプリンターの認知度は74.9%、このうち21.2%の人が「3Dプリンタ代行サービス」までを知っていた。しかし実際に利用しているユーザーは2.7%。利用したことがある人は会社やイベント、学校等での利用と回答しており、まだまだ家庭用としては引き続き敷居が高いという結果であった。では3Dプリンターに興味はあるが、購入にまで至っていない人の意見としては、価格/手間/精度などが理由のようだ。確かに現時点での家庭用3Dプリンターでは、ホームユースにしてはまだ10万円以上する場合が多く、10万円出すのであれば、大型液晶テレビが買えたりと、製品単体としての評価とすれば高価な感じがする。またやはり手間、精度等も現時点では家庭用として大きく普及するまでの物とはなっていない。当サービスにおいても、現時点おいては、週末よりも平日の方がアクセスが多く、これは個人的なホームユースのニーズというよりは、ビジネス視点でのニーズが高いということかもしれない。

では、一方モノづくりブームの先進国、アメリカではどういう状況なのだろうか?欧米では、DIYという言葉があるように、ホームセンター等で材料等を購入して自分で何でも作ってしまうという慣習がある。米国では自宅のガレージなどでものづくりをする人も多い。ヒューレットパッカードやApple等も最初は自宅のガレージ等から出発している。このような文化はアメリカ特有の物なのかもしれない。そこに最近の3Dプリンターブームが登場し、アメリカではこれまでにないモノづくりブームが起こっているようだ。あのMakerbotReplicatorのメーカーでもあるメイカーボットインダストリーズ社のCEO(最高経営責任者)、ブリー・ペティスさんは7年前まではなんと美術教師だったらしい。当時市場に出回っていた3Dプリンターが高価すぎたことをきっかけに友人と自作したことが現在のMakerbot社につながっている。この辺もまさにアメリカっぽいのかもしれない。日本にもこのような盛り上がりがくるためには、やはり家庭用の3Dプリンター市場が成熟していくことが重要かと思われる。