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3Dプリンターで生物をプリントアウト

衣服、靴、食べ物、家、鍵、銃、もう3Dプリンターで作れない物を探す方が難しいくらい、何でも作れてしまう3Dプリンター。そんな3Dプリンターだが、次はなんと生きた組織を3Dプリンターで印刷してしまう研究がイギリスのオクスフォード大学で研究されているらしい。はたして「生きた組織」とは何なのか?
詳細はネイチャーのサイトに記載されているので、興味のある方はご覧になっていただきたい。とはいえ、まだこの研究は初期段階にあり、実際医療の世界等で利用されるようになるには、まだしばらく時間がかかるようだ。次は3Dプリンターで何を作れるようになるのか。もはや3Dプリンターで作れない物は無いのかもしれない。

3Dプリンターで作るカメラのレンズカバー

オランダのデザインスタジオVan Alles Wat Ontwerpが、家庭用の3Dプリンターを用いて、一眼レフカメラのレンズがバーをデザイン/出力して販売している。現在4つのデザインが提供されており、2000円程度の価格となっている。デザインと色を選んだら、カメラのレンズを選ぶだけ。対応レンズは今のところCanonとNIKONの数種類のみ。注文を受けてから、実際に3Dプリンターで出力して発送しているのだろうか。となれば完全な受注生産性ということか。
Van Alles Wat Ontwerpのflickrアカウントを見ると、レンズカバー以外にも、3Dプリンターで作成した様々な製品が紹介されている。いずれも非常にデザイン性が高く、お金を払ってでも欲しい物もいくつかある。特別に高価なハイエンド3Dプリンターを使っているわけではなく、家庭用3Dプリンターでもこれだけ魅力的な製品を作れるというのはやはりデザイン等のソフトパワーが重要ということか。Kapsones

3Dプリンターで家を建てる「Contour Crafting」

3Dプリンターの原理が理解できたら、もしかしたらこの仕組みで家だって建てられるのではと考えるかもしれない。実際にそれを実現しようとしているプロジェクトが進んでいる。巨大な3Dプリンターで実際に人が住める家を20時間程度で建てることを目指しているのが、「Contour Crafting」というプロジェクトだ。もはやこれは3Dプリンターではなく、新たな建築手法の一つなのかもしれない。Contour-Crafting通常なら、一軒家を建てるためには、基礎の組み立てから、大工さん等の多くの人が関わる。しかしこのプロジェクトなら、3Dプリンターさえ設置すれば、あとは自動で建築物を作り上げてくれる。建築家がデザインしたCADデータをPCに読み込んで、それを現場で3Dプリンターに出力という流れだろうか。Contour-Crafting実際には、内装や、インテリア、エクステリア等、全てを3Dプリンターでまかなうことはできないのかもしれないが、例えば発展途上国等で住まいの環境に恵まれてない場合や、災害等で早急に多くの住環境が必要となた場合等は十分に役立つのかもしれない。技術が進化すれば、一軒家だけに限らず、集合住宅や高層マンション等も3Dプリンティング技術によって建築できるようになるのかもしれない。Contour-CraftingNASAが3Dプリンターを使って月に居住スペースを作る研究をしている等のニュースもあり、3Dプリンティング技術の進化はとどまることを知らない。

3Dプリンターで鍵の複製

新しい技術が登場したら、それをどう使うかは使う人のモラルによるところが大きい。例えば3Dプリンターで銃を作ることができ、その銃のCADデータを公開している人等もおり、大きな問題となっている。今回は、3Dプリンターを使って、鍵を複製する人が現れた。それも、普通の鍵ではなく、鍵メーカーが複製不可能と自信をもっていた鍵がなんと3Dプリンターでの複製に成功してしまったのだ。1920年にアメリカで創業したシュレイジ社は、家庭用や業務用としての高品質な鍵「プリマス」を製造販売している。そのプリマスは、高度な技術により高いセキュリティー性を売りとしており、複製は不可能とされていた。しかし、そんなプリマスの鍵を、マサチューセッツ工科大学の学生が、自身が開発したソフトウェアを使って鍵の形状を解析して、そのデータを3Dプリンターで出力したところ、その鍵で錠を開けてしまった。実際の出力は、家庭用3Dプリンターではなく、オンラインの高出力な3Dプリンター出力サービスを使って作った。実際の価格は、ナイロン製が500円で、チタン製だと15,000円。今後、このような、革新的な技術を、不正的に活用しようとする人たちは必ず現れるだろう。今回のMITの学生は、鍵の複製により何かの犯罪を犯そうとしたわけではなく、技術の進歩により、新たにこのような課題も生まれているという警笛をならしたのであるが、改めて色々考えさせられる事例である。せっかく盛り上がってきた3Dプリンティング市場を、3Dプリンター銃や鍵の複製等の側面で取り上げられることにより、冷や水を浴びせるような事にはならないでほしい。

教育機関用全自動3Dプリンター

3Dプリンターが様々な市場に登場し始めているが、今度は学校等の教育機関用の全自動3Dプリンターが登場した。私たちの世代は、技術家庭という科目が中学生の時にあった。今でもあるのだろうか?もし今でもあるのなら、まさにそのような科目に3Dプリンターはぴったりかもしれない。では、学校向けの3Dプリンターとはどのような物だろうか。3Dプリンターを所有する多くの学校を周り話を聞いたのだが、何度も何度も言われたのは、先生が同じパーツをたくさんプリントしなければならないという問題点についてだったという。従来のプリンターだったら、これは、ソフトウェアで作ったパーツをロードして、プリントを開始して、数時間後に戻ってきてパーツを取り出し、またプリントを開始するという作業を意味する。生徒30人分のパーツを洗浄して、プリントを繰り返すのだ。
このプロジェクトを進めているNew Valence Roboticsは、特殊なソフトウェアとハードウェアを3Dプリンターに追加することによりプリントジョブのキューを保存できて、完成したオブジェクトを自動で取り外す機構が付いている。いちいち完成したら、完成物を取り外して、次の出力のセットをする等の手作業を省くことができ、一旦設定すると、あとは自動で次々とプリントアウトを続けてくれる。確かに3Dプリンターは一つの物を出力するのに、数時間かかる場合もあるので、ずっとその間3Dプリンターの前で待っている訳にもいかず、かといって、その場を離れていたら、実は数時間前に既に完成していた、等の時間の有効活用が難しい。教育機関等で、多くの出力をくりかえしたり、ハードに使いこなす場合には、うれしい機能だ。

Minecraftで作った物を3Dプリンターで出力

ゲームと3Dプリンターのコラボレーションは、ここ最近様々な取組が行われている。最近話題になったものは、ファイナルファンタジーVIIのキャラクターを3Dプリンターでフィギュアにできるサービス。いきなり人間のフィギュアを作るよりも、愛着の沸いたゲームキャラを3Dプリンターでフィギュアにする方がニーズとしてはあるのかもしれない。今回紹介するのは、Minecraftで作ったモデルをMinewaysを使って切り取り、3Dプリンター出力サービスに送ってフィギュアを作るサービス。出力代行サービスとしては、Shapewaysを用いているらしい。
Minecraftゲームで作った物を、3Dプリンターでリアルな世界に出力するというのは、一つのビジネスモデルとしてありなのかもしれない。例えば、最近大人気のスマートフォンゲーム、クラッシュ オブ クランズや、パズドラのキャラが3Dプリンターで出力できるのなら、多少値がはっても購入する人は多いだろう。私自身もクラッシュ オブ クランズをやっているが、時間をかけて大切に育てた自分の要塞が、3Dプリンターで出力されてジオラマになるのなら、ぜひとも購入してみたい。スマホのソーシャルゲームは何百日とかけて、数十万円もかける人がいる。そのようにして作った街等を、デジタルの世界だけにとどめておくのではなく、それがリアルなジオラマになって、1万円程度で作れるなら、これは絶対ニーズがあると思われる。誰かやってくれないかなー。自分でやろうかな。このサービス。

頭の中にイメージした物を3Dプリンターで出力

頭の中に思い描いたイメージ等を、3Dプリンターでプリントアウトする。はたしてそんなことができるのだろうか?最近は、necomimiやEPOC neuroheadset等、脳波を読み取り何等かの形で出力するガジェットが注目されている。そんなガジェットと3Dプリンターを組み合わせた時に、どのようなことができるのか。ジョージ・ラコウスキーが代表を務めるクリエイティブ集団「Thinker Thing」はEPOC neuroheadsetと既存の家庭用3Dプリンターを組み合わせて、脳波を検知することにより、頭の中に想像した物を3Dプリンターでプリントアウトするというアートプロジェクトを行っている。Emotiv社のEPOC neuroheadset(BCIヘッドセット)を使って、脳波のインパルスを読み取り、それをPCに送って、最終的には3Dプリンターで出力する。実際に頭の中に描いた形状がそのまま忠実に3Dプリンターで出力されるという訳ではなさそうだ。EPOC-neuroheadset人それぞれのその時々の脳波はユニークな物である為、その脳波のデータをオリジナルデータに変換して、それが3Dモデリングされるようだ。実際に自分が頭の中でイメージしたものがどのような形状で出力されるか、非常に興味があるが、実際に頭の中で思い描いた形状ではないのがちょっと残念。この発想なら、例えばユニークなライフログ等を特定のデータに変換してそのデータを3Dプリンターで出力する事等、なんでもできそうだ。まず人は何か物を作る時に、紙に描いたり、またはCGソフトで形にしたりするのかもしれないが、その工程の前には必ず頭の中で自身が形にしたい物を思い描くと思う。もしその頭の中のイメージが、そのまま3Dプリンター等で形にできるなら、それはすごい未来になりそうだ。

ブラウザで3Dプリンターデータを簡単に作成できる「Matter.io」

ここ最近の3Dプリンティング市場の盛り上がりを見ていると、3Dプリンターや3Dスキャナー等のハードウェア市場の伸びは目立っているが、データ周りがやはりまだ不足しているように思える。3Dプリンターは、お金さえ出せば誰でも手に入るが、3D CADデータは、それなりの専門性や習熟度がないと、誰でも簡単に作り出すことはできない。そのような課題に様々なコンセプトでのアプローチがみられる。DesignSpark Mechanicalや3-Sweep等は革新的な技術でこれらの課題に挑んでいるが、PCのブラウザで誰でも簡単に3Dモデリングができるサービスが「Matter.io」だ。Cubifyでも簡単なアクセサリー等のSTLデータをブラウザベースで作成することができるが、Matter.ioは様々なSTLファイルをアップロードして、それらに様々なパーツをくっつけたり、効果をかけたり、色を付けたりすることもできる。
作成したデータをSTL形式でダウンロードすることもでき、かなり自由なサービスだ。何でもできる高機能なCADソフトにいきなり挑戦するよりは、まずは機能は制限されているが、このような簡易なサービスから3Dモデリングに挑戦するのもありだろう。機能が制約されている方が、色んなイマジネーションは沸くのかもしれない。

3Dプリンターでカスタマイズできるメガネ「PROTOS」

最近ではOh My Glasses等、ネットでメガネを購入できるサービスも登場し始めているが、めがね購入においてのポイントは、やはりそのメガネがぴたりフィットするかは大きなポイントだろう。実際の顔等の形状にぴったりあったメガネを手に入れるには実際の店頭等に出向いて、実際にかけてみて、実際に鏡などで確認してみないとそのメガネが自分ににあっているのか、ぴったりフィットしているのかは確認することはできない。そんな課題を3Dプリンターで解決しようとしているのが、PROTOS。PROTOSでは24種類のメガネのフレームの中から好きなデザインを選び、それをユーザーの顔の形等に合わせて、ぴったりのフレームにカスタマイズしてくれる。方法は、Webカメラで自分の正面の顔と横からの写真を2つ用意してそれを送るだけ(簡単な質問もある)。
それらのデータを元に、そのユーザーの顔にぴったりの形状に調整されたメガネが3Dプリンターを用いて作られる。現状、フレームカラーは黒色の1色のみだが、今後は様々な色が登場するだろう。Protos-Eyewearメガネを買ってみたけど、顔にフィットしない、等の経験は誰にもあるだろう。あと気になるのはかけ心地。かけ心地ばかりは、実際に手元に届いたメガネで試すしかないのかもしれないが、3Dプリンターを用いたサービスとしては面白い物かもしれない。価格は20,000円。これを高いと思うか安いと思うかは、実際に試してみないと分からない。レイバンのアビエイターとか、なかなか日本人の顔の形状には似合わないが、もしこのサービスで自分の顔にぴったりなアビエイターが手に入るのなら、是非とも購入してみたいと思う。Ray-banのAviatorのデザインをそのままこのサービスで提供するわけにもいかないので、やはりRay-ban自身がこういうサービスを始めたりしたら面白いのかもしれない。復刻版等、個々のニーズに応じた製品等を提供するのに、3Dプリンターは相性が良いかもしれない。

家庭用フルカラー3DプリンターProDesk3Dが国内発売

以前から話題になっていたフルカラーの家庭用3DプリンターProDesk3D。複数色のフィラメントを用いて、2色刷り/3色刷り等を実現している3Dプリンターは既に存在しているが、ProDesk3Dはフルカラー3Dプリンティングを実現している。FDM方式(熱溶解積層法)でフルカラーを実現するとは、このように技術って進化していくんだなー、としみじみと感じてしまうような製品だ。botObjects社が投入するProDesk3Dのプレオーダーはすでに開始されている。

オレンジバージョン
・早期注文価格:2,849ドル(約30万円)
・一般小売り価格:3,429ドル(約35万円)
ブルーバージョン
・早期注文価格:3,349ドル(約34万円)
・一般小売り価格:3,749ドル(約38万円)

カラーによって値段が異なるのは珍しいが、ProDesk3Dの日本国内での販売代理店契約を、AAA Corporation社が結んだ。これにより、日本国内でも、個人で輸入等することなく手軽に購入できるようになった。で、気になるのはその価格。AAA Corporationが先日発表した価格は、
ProDesk3D(Standard Edition):648,000円
ProDesk3D Blue(Limited Edition):748,000円
・・・・。た、高い。
5色のPLAカートリッジでインクを混ぜることによりフルカラー出力を実現している。通常のカラープリンターでも、特定の色のトナーが早くなくなったりする場合があるが、3Dプリンターも同様の事がおこるのだろうか。つねに5色のPLAフィラメントをきらさないようにストックしておかないと、出力途中でフィラメントが足りません、等になったら大変だ。