3Dプリンティング技術の活用先として、美術館や博物館の収蔵品等をスキャニングして3Dデータとして一般データを提供する試み等が始まっている。例えば大英博物館には、800万点もの収蔵品があると言われている。それらの800万点全ての収蔵品を実際に展示することはほぼ不可能だろう。しかしデジタルデータでなら際限なく提供できるのかもしれない。大英博物館に、ロゼッタストーンや、ハンムラビ法典等のレプリカや置物、キーホルダーを販売しているお土産屋さんがある。しかし今後は実際に大英博物館を訪れなくても、デジタルデータを入手することによって、様々な貴重な収蔵品のレプリカ等を3Dプリンターで出力して手にすることができるようになるかもしれない。
このような取組を積極的に進めているのが、アメリカのスミソニアン博物館。スミソニアン博物館は、Smithsonian X 3Dというサイトにて収蔵品の3Dデータの公開を始めた。提供されるデータはブラウザ上で閲覧でき、またダウンロードして実際に家庭用3Dプリンター等で出力することもできる。現時点で公開されているデータは、マンモスの骨格、アブラハム・リンカーンの彫像データやライト兄弟のライトフライヤー号。誰もが知っている歴史的に価値のあるデータが。データファイルフォーマットはSTL形式。で、びっくりするのがこのスミソニアン博物館にはなんと約1億3700万個の収蔵物があるといわれており、これら全てをスキャニングして3D データ化することを目指している。
1億3千万点のデータを3Dデータにするには、気の遠くなる時間がかかるかもしれないが、GoogleがGoogleBooksで書籍をスキャニングしていた取組に似ているかもしれない。もしかしたらGoogleが始めるかもしれない。スミソニアン博物館の場合、この1億3千万点の収蔵品の内、約1%程度しか実際には展示されていないらしい。でも1億3千万の1%といっても、130万点。スミソニアン博物館には本当に130万点の展示がされているのだろうか?
3Dプリンター用データをスミソニアン博物館が無償配布



このように家庭用3DプリンターメーカーはWindows8.1対応を進めていくだろう。この取組がうまくいけば、マイクロソフトは3Dプリンティング市場において、それなりのポジションを獲得できるかもしれない。

そんなゲームを左右する「トレンドカード」の中に、なんと「
ヤスリで削ってピカピカにするのとはまた異なったアプローチであるが、このような様々な3Dプリンターの課題に対するソリューションが登場するのは非常に良いことではないだろうか。アセトンで溶かして表面を仕上げるには、PLAやABS等の素材の相性もきになるところである。このように、今後も3Dプリンターの周辺サービスやプロダクトが数多く登場するのを期待せずにはいられない。
米テキサス州の企業が11月8日までに、3D CADデータを元に樹脂や金属を用いて銃を造形し、実弾の発射に成功したことを発表した。金属素材等を用いて、ここまで精巧な3Dプリンター銃を作り出したのは今回が初めてだろう。この3Dプリンター銃を制作したのは、ソリッド・コンセプツ社。一般に出回っている家庭用3Dプリンターではなく、金属等を加工できる特殊な業務用のハイスペック3Dプリンターを使用して制作したようだ。この銃を造形した3Dプリンターは、一般人が購入できるようなものではなく、1台7,500万円もするような物なので、その辺の個人ユーザーによって大量に銃が作られるということはないだろう。しかしここ最近、家庭用3Dプリンターの進化も目覚ましく、金属造形ができる家庭用3Dプリンターが10万円を切る価格帯で登場し始めている。いますぐにこれらの金属加工が可能な家庭用3Dプリンターで3Dプリンター銃が製造できるということはありえないが、技術の進化とともに、今後様々な議論が起こるかもしれない。

